水無月・R的・2018年読了作品 ベスト10!

年の瀬も押し迫ってまいりました。今年は暖冬で、本当にありがたい・・・、と思ってたらここ数日の冷え込みの厳しさ。動くのが嫌いで冷え性な私には、辛いです(笑)。さて、そんな私の今年の読了作品数、64作品。読めた冊数はともかく、今年も充実した読書生活を送れたな、と思っております。そんな中での〈年間ベスト10!〉、毎年のごとく「順番つけがたい~!!」と悩みに悩んでの発表でございます。 〈水無月・R的・2018年読了作品 ベスト10!〉1位 『パーマネント神喜劇』 万城目学水無月・R、オネエキャラ発動(笑)。人間くさくて、愛おしくて、人間を愛している神様、ありがとう。2位 『深泥丘奇談・続々』 綾辻行人なにか、怖ろしくおぞましい経験をした――ような気がする。 主人公と共に、すべての境目が曖昧になる・・・。3位 『本バスめぐりん』 大崎梢本好き・図書館好きにはたまらない、心温まる作品。作中登場する本だけではなく、いろんな本を読んでみたくなりました。4位 『無貌の神』  恒川光太郎恒川作品の真骨頂。見知らぬ物語なのに、郷愁を覚える。人が生きるということは、醜くも美しい。5位 『蜜蜂と遠雷』 恩田陸音楽が聞こえ、見えてくる。コンテスタントたちの成長と芸術の神髄を、垣間見る読書となりました。6位 『こなもん屋うま子 大阪グルメ総選挙』 田中啓文うま子のコナモンが、お悩み解決!大阪市長・櫛田勝男は、モデルの「あの方」よりずっと信用できそうです(笑)。7位 『老後の資金がありません』 垣谷美雨タイトルが切実すぎて、心…

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『タンゴ・イン・ザ・ダーク』/サクラ・ヒロ △

いやぁ・・・久し振りに読了後、「え~と、だから、何?」って思ってしまいました。サクラ・ヒロさん好きな方、ごめんなさい。私には、このカオスな世界観が理解できませんでした。真の暗闇の地下室で音楽セッションする夫婦を描いた『タンゴ・イン・ザ・ダーク』、何がどうしてこうなって、そしてどういうラストになったのか・・・。 ある日突然、妻が「顔にやけどをした。病院に行くほどではない。でも見られるのが恥ずかしい。」と言って、寝室に引き籠ってしまう。互いに自立している夫婦であるためしばらくの間はそれで何とかなっていたが、妻は寝室から出てくるどころか、キッチンやシャワーまで整っている地下室に移動してしまい、夫の夕食は夫のいない間に用意できてはいるけれど、ずっと夫婦は顔を合わせることがないまま日々が過ぎていく。地下室に籠る妻は暗闇の中でなら会うと言い、地下から出てくる条件として、自分がプログラムした「オルフェウス」というゲームの上位者ランキングに入ったら、という。市役所勤めの夫は「オルフェウス」をプレイし続けるが、全くランキング入りできないどころか、日常生活に支障まで出始める。「オルフェウス」から、地獄の門番を音楽で手懐け妻を連れ帰ろうとするエピソードを思い出した夫は、地下を訪れてフルートを演奏しようと思い立ち、練習に励む。更に日常生活(彼の社会性)は破綻していく。真っ暗な地下室で、夫はフルートで妻はギターでセッションし、演奏を重ね技術向上するにつれ、夫は不可思議な体験をしていく。 冥界脱出譚、妻は双子で名前も同じ…

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『異人館画廊 ~幻想庭園と罠のある風景~』/谷瑞恵 〇

図像学の研究者である此花千景と、その祖母が経営する〈異人館画廊〉に集う絵画愛好家仲間・キューブのメンバーが関わる絵画の謎を巡る谷瑞恵さんの物語、〈異人館画廊〉シリーズ。本作『異人館画廊 ~幻想庭園と罠のある風景~』は、その3冊目。図像術が使われているかもしれないというブリューゲルの絵を調査するために、コレクターの元を訪れた千景と透磨は、ブリューゲルの絵を再現した庭園の謎と対面することになります。 千景が幼少時に誘拐され、そのショックで部分的に記憶を失っているため、当時慕っていたはずの透磨とツンツン・チクチク(まあ2人の性格がどっちもどっちなせいもある)した関係が、相変わらず続いています。千景は両親に捨てられたという心の傷があり、本作でその父が設計した庭に足りないものが「墜落したイカロス」であることに気付き、父の悪意に翻弄される。・・・しかし、なんで千景の父親は、ここまで娘を苛もうとするんでしょうか。絵画に対して敏感な反応をし、あまり人間に興味を示さない変わった子供であったとはいえ、親権放棄するほど厭うなんて、正直異常だと思うんですよね。誘拐事件ももしかしたら・・・なんて思わざるを得ません。その辺の事情がはっきりと描かれないので、もうそろそろ少しずつでも明らかにしてくれたらなぁと思います・・・。オバチャン、千景と透磨のツンツンに疲れて来ちゃったよ。まあ、少しずつほぐれて来てはいるんですけどねぇ。 透磨は「思い出さなくていいから、新たに記憶してくれればいい」的なことを言っていますが、それが優しさな…

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『負けるもんか ~正義のセ~』/阿川佐和子 〇

シリーズ当初「融通キカンチン」と称され、猪突猛進新人検事だった凛々子も6年目を迎え、尼崎支部の筆頭検事として、忙しい日々を送っている。阿川佐和子さんの〈正義のセ〉シリーズ4冊目です。『負けるもんか ~正義のセ~』、本作では凛々子の検事としてというか人間的な部分での成長が、鮮やかに描かれていました。 甲子園球場近くの官舎に住む凛々子は、ある日思い立って阪神戦を観に行き、そこで尼崎北警察署の110番担当の三上虎子と意気投合する。また別の日には、同じく尼崎北署の刑事・青井文彦から、市立医大で起こった女性職員転落事故についての相談を受ける。そして尼崎支所に入った、市立医大と医療機器会社の癒着に関する内部告発文書の担当を命じられた凛々子は、青井と協力しながら、調査を始めるが・・・。 凛々子が担当した内部告発の調査に関しては、証拠不十分で起訴は保留、本庁預かりになってしまう。しかし、北海道で同じ医療機器会社と大学病院の癒着が発覚、そちらに応援として呼ばれ、検事としての本領を発揮し、硬軟併せた取り調べをもって事態解明に努め、無事に起訴へ持って行くことが出来た。 仕事では、こんな感じにバリバリと働いていた凛々子だけれど、じつはプライベートで知り合ったイケメン俳優の「検事のことを教えて欲しい」と言われ、何度か会って思わせぶりな態度をとられて振り回されてしまったり、妹が婚約者と仲違いしたことに安堵する自分にモヤモヤしたり、前シリーズから凛々子に熱を上げ続けている神蔵からしょっちゅうメールが来たり、お年頃の女性な…

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『鬼女の都』/菅浩江 〇

・・・京都の怖さを思い知る、・・・いや、私、知ってた。更に思い知らされた・・・って感じでしょうか。菅浩江さんって、京都在住だったんですね。なんていうか、京都ってやっぱり、私みたいな単細胞には向いてないなぁと、痛感いたしました。京都を舞台にした歴史ロマン小説で人気の同人作家・藤原花奈女の自死から始まる『鬼女の都』は、京都という〈街〉が引き寄せ、誤解させ、皆まで言わない文化で混迷を極めてしまった真相を解きほぐすミステリーです。 国文学をちょっと齧ったことがあるぐらいじゃ、全然太刀打ちできませんでしたね、京の都ミステリー。藤原花奈女を苛んでいた〈ミヤコ〉が誰か?と、花奈女とミヤコの関係は、なんとなく見当が付いてはいたんですが、どうにもその動機と経緯が分からず、謎の方は謎解き役の杳臣にまるっとお任せでした(^^;)。 花奈女の葬式に東京から参列した、同人仲間の優希・櫻・ちなつ、そして花奈女と京都で同居していた同級生・梶久美子。京都の大学に行っている優希の従兄とその友人で三味線弾きの杳臣と、杳臣の母親だという京女を体現したかのような小料理屋の女将・陶子。崇拝する花奈女の死の真相を突き止め仇討ちをし、彼女の残したあらすじを小説化したいという優希は、櫻・ちなつと共に花奈女と久美子の部屋を訪れたり、あらすじにあった場所を取材したりするうちに、怪奇現象に見舞われる。久美子の元へ届いた〈ミヤコ〉からの手紙、ちなつと櫻を襲った幽女、優希たちに届いた第二の手紙、花奈女の部屋で襲われた優希、第三の手紙。夜の京の町に出現…

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