『高校入試』/湊かなえ 〇
地方名門公立高校の入試前日、「入試をぶっつぶす」と書かれた紙が、会場となる教室の黒板に貼られているのが発見される。入試当日も、ネットへの試験問題流出、試験会場のリアルタイム実況・・・、対策に奔走する学校側だが、すべては後手に回ってしまう。湊かなえさんらしい映像的展開・・・と言いたいところですが、まず先にドラマ脚本があり、本作『高校入試』はセルフノベライズってことになるのでしょうか(ドラマは見ていません)。登場人物多すぎて、中盤終わるぐらいまで『人物相関図』なくしては読めませんでした・・・(-_-;)。
各文章の頭にそれぞれの名前が書かれて、その人物視点で状況が語られ、その文章の合間にネット投稿の一文が挟まれる。その人物たちなんだけど、受験生たち、保護者たち、学校の先生たち、とにかく人数が多い!名前だけ書かれても誰が誰やらだし、『人物相関図』もそれぞれの性格や背景などは書かれてないからそれを覚えるまでは混乱しまくり。映像なら、わかりやすかったのかもしれませんねぇ。やっとそれらを把握したのは、入試そのものが終わり、採点も終わった後、状況混乱から犯人(主犯共犯の複数)判明のクライマックス・・・。まあ、私の理解力が弱すぎるせいなんだとは思うんですが、もうちょっと読者に優しくてもいいのでは(笑)。
入試当日にこれをやらないで欲しいなぁ・・・というのが、正直な感想ですねぇ。無関係な受験生たちが、ホントいい迷惑なんで。その受験生たちもルールを守らない子が居たり、もめごとを起こしかける子が居たり、関係者以外立…