『ソラリス』/スタニワフ・レム △

え~と、そのなんですな、本格SFってさ・・・水無月・Rのキャパを軽く超えていくんだなって、痛感しました!!向いてないのね、単純アタマのワタクシには(^^;)。いや、今回は登場人物の多さじゃないんですよ。なんというか、「SF」の「サイエンス」部分が難しかったんですよねぇ。超絶文系人間なもので・・・。スタニワフ・レムさんの代表的SF作品である『ソラリス』、難しかった~。 それと、なんていうかですね、ラストが水無月・R的に、非常に衝撃的でして・・・。・・・まさかの、〈何もカタがついてないのに、物語終了〉とか・・・。突っ込んでいいのか、突っ込んじゃダメなのかも、わからないんです。そして、恥ずかしながらどうしてこの作品が<読みたい本リスト>に入ってたかも不明だったりします(笑)。『断絶への航海』とおなじ、『図解で分かる14歳から知っておきたいAI』の影響(紹介されてた作品?)だったかなぁ・・っていう、ね。 意思(知性?)を持ち、自律運動をしていると思われる、惑星ソラリスの海。長い年月をかけた研究にも成果はなく、人類とそれの間に意思の疎通がないどころか、海がどういうものであるかの体系的な定義もなく、一時の熱狂が去り細々と観測研究が続けられているそのソラリスステーションを訪れたケルヴィンは、何かにおびえる研究員たち、「いるはずのない存在=お客さん」と出会ってしまう。それが何かも分からず怖れと混乱に陥ったケルヴィンの元に、10年ほど前に共に暮らし自死した(ケルヴィンとのけんかが引き金で?)恋人…

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『世界はハッピーエンドでできている(3)』/下西屋 ◎(コミックス)

『世界はハッピーエンドでできている(1)』でも『世界はハッピーエンドでできている(2)』でもレビューに書いたけど、登場人物(モノや人外も含む)すべてが幸せになれるラストが、本当に素晴らしい。ただの甘っちょろい簡単な「幸せ」ではなく、それぞれにきちんと踏み込んだ、酸いも甘いも噛み分けた「真っ当な幸せ」が描かれていて、ホントに大好きだ~~!!下西屋さん、紙書籍での第3巻再出版を決定してくれたcomico編集部の皆さん、ありがとう!!『世界はハッピーエンドでできている(3)』、しっかりと堪能させていただきました!! 今作で登場するのは、「ロミオとジュリエット」「源氏物語」「オオカミ少年」「番町皿屋敷」「古典ミステリー(ホームズ他)」。思い切った翻案で、我々読者を爆笑させ、じんわりほっこりさせるのは、もう定番です。それがあるから安心して読めるわけですが、それでもどういう展開になるのかドキドキしてしまうのですよ。素晴らしいですよねぇ。 どの物語も、それぞれに良くて、ホント毎度言ってるのですが、優劣なんぞ付けられないのですよ。 個人的に好きなのは「源氏物語」の紫さん(紫式部)とかぐちゃん(かぐや姫)のオタク仲間の会話ですね。ぽんぽん弾む会話、萌えがダダ漏れでニヤニヤが止まりません!かと思えば、社内お家騒動(笑)で秘書室のメンバーが総入替えになったあと、前室長・彰子の部下清原さん(清少納言)が来て盛り上がり、置いてけぼりの現室長・定子にそっとコーヒーを淹れながら「室長は若いしパリピじゃないし」と思ってる辺…

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『クリスマス・テロル』/佐藤友哉 〇

まさかの、著者・佐藤友哉氏ご本人による〈読者告発〉が物語中で行われようとは(笑)。いやいや、参るわぁ。『クリスマス・テロル』という、物騒かつ何となくメルヘンなタイトルからは、想像できなかったですよ全く。なんていうか、うん、攻めてるねぇ、佐藤さん。攻めてるけど、防衛線も張ってるし、告白も露悪もあるし、非常に混沌としてます。 衝動に突き動かされて家出を決行した少女・小林冬子がたどり着いたのは、3週間に1回しか船の来ない孤島。人口は500人程度。とある男・熊谷に発見された冬子は、熊谷に与えられた仕事を要領よくこなせず、代わりに隣の小屋で生活する男の監視を命令される。何故その男を監視するのか、その男は何者なのか、一切の質問には返答はないまま、何日も監視を続けた結果、突然男は姿を消し、島内は捜索で大騒ぎになり、冬子もその騒ぎのまま帰宅することとなる。受験生だというのに家出からずっと心ここに在らずの冬子を、浩之・唯香という双子がそそのかし、3人で再度島を訪れ、冬子は姿を消した男の調査を始めるが・・・。 あ、こういう展開なら、「その男が何者か(←これは熊谷の弟・尚人と判明)」「尚人はどうやって密室状態から姿を消したのか」「何故、熊谷は尚人を見張らせていたのか」などが判明する過程において、冬子の精神的成長があって云々…となるのが王道だと思うのですが。そうならない。透子は調査に駆け回るのだけど、尚人については結局わからないことだらけなところに、島で友達になった少女・岬の記憶障害や、熊谷と岬の年老いた母の行動の衝…

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『枕草子REMIX』/酒井順子 〇

酒井順子さんと言えば、私的に『源氏姉妹』で、「そうそう!そうなのよ!!分かるわ、酒井さん!!」となった、〈感覚同じ女性作家さん〉なんですけどね。本作『枕草子REMIX』も、若い方の言葉ですが「わかり味が深い~(笑)」って感じで、ヘッドバンギング並みにうなずきつつ、読みました。 清少納言。以前は「才気煥発・当意即妙の権化」みたいなイメージがあって、苦手でした。なんていうか「ほらほら、私って頭の回転がいいから、身分の高い人にも、気の利いた異性にも、好かれちゃうのよねぇ~」っていう自慢がグイグイ来る感じで。 でも、宮木あや子さんの『砂子のなかから青き草』を読んでからは、定子の凋落にもその身を捧げて仕える、真摯で情けの深いその一途さに「清少納言も、現実の女性なのねぇ」「才気煥発をひけらかすのも、定子のサロンを盛り上げるためなのだなぁ」と、好きになれてましたので、本作で酒井さんが「清少納言さんと親友になれそう!」というのに、かなり期待して読み始めました。 ワタクシ、一応文学部だったんですが、やっぱり『枕草子』は、通読してないんですよね(^^;)。まあ、「春はあけぼの」以降のくだりも記憶してますし、他の段も知ってるエピソードがあったりはしたのですが、酒井さんが取り上げた「和歌の免除を中宮に訴えた」とか「下種の家に雪が降るのは似つかわしくない」とかは、知らなかったです。酒井さんの「清少納言は身分もボーダーギリギリ、年齢もボーダーギリギリだったからこそ、身の程をわきまえることに美学を感じ、そこを外れる人に対…

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