『新 謎解きはディナーのあとで』/東川篤哉 ◯
さあ、令嬢刑事と毒舌執事コンビが帰ってきましたよ~!ってことで、本書『新 謎解きはディナーのあとで』なんですが、何が『新』なのか、よくわかりませんでした・・・。新キャラの若宮愛里刑事が加わったことと、風祭警部が本庁から(クビになって)帰って来きたこと・・・かな?主人公・宝生麗子と執事・影山のやり取りは、まあ定番化したお約束ですね~。ある意味、安心感がある(笑)。東川篤哉さん、サクサク読めてニヤニヤ笑えるライトなミステリ、楽しませていただきましたよ!
サクサク・ニヤニヤと書きましたが、主人公の麗子は国立署の刑事、難航する殺人事件の捜査をしているので、笑っちゃう~というのは不謹慎なのかもしれないんですけどね。まあ、なんというか、毎度のことながら「猫に小判、お嬢様の耳に念仏でございますね」「顔を洗って、出直していらしてはいかがでしょうか」など、影山の毒舌に対して「なんですってぇ!」と叫び散らす、お約束の安定感。実際にこんなに慇懃無礼で毒舌な執事がいたら、雇う側もそりゃ大変でしょうよ(笑)。麗子のガーッと言い返すキャラだからこそ、成立する関係ですが、良家の子女がこれでいいのかは、かなり疑問が残りますね(笑)。
5つの殺人事件が発生し、風祭警部が迷推理をぶちかまし、麗子と愛里は呆れつつも逆らえず、事件は難航。悩む麗子が、〈ディナーのあとで〉影山に事件の経緯を話して聞かせると、影山はあっさりと事件の絡まった糸を解きほぐし、解決をしてみせる。もう、ど定番の展開でミステリーとしても軽めなので、いくつかの事件は…