『神々の歩法』/宮澤伊織 ◎
はぁ~、面白かった!!新聞の書評で興味を持った本作『神々の歩法』ですが、非常にテンポよく読めて、楽しかったです!!著者の宮澤伊織さんは、なんというかイマドキな経歴の方ですね~。ボードゲームなどの企画制作会社に所属されてる方で、アニメ「裏世界ピクニック」の作者さんだそうです。いわゆるラノベ系の作品が多い中で、本作が本格的なSFとしては初の作品らしいです。いやぁ、それでこのレベルとは、すごい。
ある日突然、ウクライナの農夫・エフゲニー・ウルマノフが都市を壊滅させるレベルで凶暴化、しかも通常兵器が通用しない。その破壊行動を止めるために、潜伏先である北京に潜入したサイボーグ特殊部隊。壊滅寸前で、空から舞い降りてきた少女・ニーナに救われ、彼女に協力して、凶暴化したエフゲニーをなんとか倒す。
エフゲニーが凶暴化したのは、宇宙の彼方で起きた超新星爆発に巻き込まれて滅亡した種族が、宇宙を飛ばされて地球に飛来し(その間に発狂しているものが多い)、そこにいる生物に憑依した結果であった。ニーナにも同じく憑依しているものがあったが、そちらは攻撃的ではなく、以後現れる憑依体の暴走を食い止めるために、ニーナと特殊部隊は協力体制をとることになるのだが。ニーナは8歳の少女なので(但し身体はミドルティーンに成長させられている)、勢いで行動してしまったり、同じ境遇の憑依体と友達になりたがったりする。特殊部隊の隊長・オブライエンや隊員たち、同じ憑依体で〈死の概念〉を司るカミラ、CIAのケースオフィサーであるマッケイなど、魅力的なキ…