『最新版 定年までに知らないとヤバいお金の話』/岡崎充輝 ◯(実用書)

たまたま、図書館の予約の順番がきてまとめてこの手の本が、手元に来ています。予約待ちをしてる人がいて期間内に返さなくてはいけないので、続けて読みます~(しかもあともう1冊ある)。ファイナンシャルプランナーである岡崎充輝さんの『最新版 定年までに知らないとヤバいお金の話』は、10年前に出版されたものをアップデートした内容で再出版されたもの。出版年2022年現在の情報を元に、書かれたものです。 ネットや書籍で、〈老後〉についてちょっとは情報を集めているので、先日読んだ前作『小さく暮らす30の知恵』を読んだときと同様に、「目からウロコだわ!!」というスゴイ情報はなかったんですが、ちょこちょこ参考になった点も。 後期高齢者医療制度って聞いたことはあるし、実際自分の親もその対象なんですが、まだまだ自分にとっては現実感のないことだったので、「へぇ~なるほどねぇ~」と、知らないことがいっぱいでした。74歳までは被扶養者だった人も、75歳になったら保険料納付の義務がある・・って、知らなかった!!しかも、自治体により差がある月額が6400円ぐらいとか、結構高いですよね!介護保険を一生払い続けることは知ってましたが具体例が表で載っていて、生活保護受給者でも払わなきゃいけないとか、同世帯に住民税課税者がいるかいないかで課税の料率が違うとか、結構厳しい&難しい・・・!! 50歳を越えてるので、「ねんきん定期便」でいくらぐらい年金がもらえるかはわかってるんですが、そこから介護保険や国民健康保険とか引いたら、かなりスカス…

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『小さく暮らす30の知恵』 宝島社 TJMOOK ◯(MOOK)

〈シンプルに暮らす〉とか〈老後に向けての断捨離〉とか〈老後のお金問題〉などの情報が気になって来るお年頃の、ワタクシ(^_^;)。人生100年の折り返し地点を越え、自分のパート定年はあと20数年後(75歳まで可能!!そこまで働くかどうかは決めてない)、正社員夫の定年は10年ほど(65歳)、という状況において、「老後って結構長いじゃん・・・。いろいろ、大丈夫なん??」ということで、ちょこちょこ情報収集しています。ということで宝島社さんの2022年9月発行MOOKである本書、『小さく暮らす30の知恵』を読んでみました~。 表紙を飾る中村メイコさんを始め、何人かの生活ぶりを紹介する記事があるんですが、・・・すみません、皆さん資産持ちでいらっしゃるよ・・・。ド庶民の私には、ちょっと無理な生活だよ・・・(^_^;)。 〈老後をどこでどのように暮らすか〉は、重要なことですよねぇ。取り上げられている、「終の棲家」は色々ありますが、特別養護老人ホーム以外は、結構なお金がかかります(高齢者施設だけじゃなく、2世帯住宅やリフォームも)。長生きって、リスク高いんだなぁ・・・。やっぱり、お金があるに越したことはないよなぁ。蓄財、頑張ろっと・・・。 終の棲家問題にも関わるのが、本書タイトルでもある〈小さく暮らす〉こと。歳を取ったら、今までみたいに色々テキパキできなくなるし、思考力も低下するし、体力落ちるから、できるだけシンプルに物を少なく、収納のゆとりだけじゃなく脳のキャパシティにもゆとりを持たせていきたいものですな。…

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『インデックス』/誉田哲也 ◯

先日『オムニバス』を読んだ時に、「あ・・・順番間違えてた」と気づいた、本作『インデックス』。〈姫川玲子〉シリーズの短編集として、時系列が逆でした。まあ、いいですけどね。読む順番は間違っちゃいましたが、面白さとしては問題なし。本作でも〈姫川玲子とはこんな人物〉という、様々な面が見られて、とても良かったです。まだまだ、姫川の活躍を読み続けていきたいなと思いますね。誉田哲也さん、楽しみにしています! 基本的には、それぞれの短編が独立した事件での姫川の活躍を描いていて、事件の傾向も被疑者や被害者及び関係者の属性や性質もそれぞれ。事件を解決するために、バリバリ捜査を進めていくバイタリティがとんでもない。 いやぁ・・・「アンダーカヴァー」で、姫川がインチキ関西弁女バイヤーに扮したのには、笑っちゃいましたね。自分で「女井岡みたいで嫌だ」と思いつつ、もう始めちゃったら止められないと、ガンガン演技で話を進めていく。店の若い男にブランド物のネクタイ買ってあげたり、食事に行ったりして情報収集に努めるんですけどね。衣装の準備に100万以上注ぎ込めるとか、それ以外の活動費もかなりの額になってるわけですよ。衣装は捜査終了後に売り払ったとしても、元が取れるわけでもないし、活動費も経費申請できるようなたぐいじゃない。捜査の鬼・・って感じよねぇ。事件解決に向けての、これだけの執念(情熱)、姫川の凄みがわかる物語でした。そんな中でラストに、取調べ中の被疑者に「留置場のお弁当を食べて、社会との関わりを感じろ」的なことを言うんだけど…

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『あきらめません!』/垣谷美雨 ◎

怒涛の展開でした~!垣谷美雨さんの作品って、「身につまされるわ~」「うわ~、同年代あるあるだよ・・・」と、いつもちょっと胃が痛くなってきちゃうんですよねぇ。基本的に物語の終わり方は爽快で、「うむ!よし!」って威勢がよくて読後感は割といいんですけど。本作『あきらめません!』も、まさにそんな感じ。読み始めは、結構イライラ・ムカムカさせられましたが、後半にかけてどんどんスピードアップする展開、主人公・郁子の努力が実を結ぶ様子、周りの女性達の活躍に、読んでる私も勢いづいてしまいましたね。 フルタイムでワンオペ育児で、頑張って働き続けて定年退職を迎えた郁子。定年後、嘱託として働き続けた夫がストレスを溜めていたのをきっかけに、夫の実家のある田舎町に移住することになる。義母の家の隣がちょうど売りに出ていたのを買い取り、のんびりガーデニングでもして余生を過ごすはずだったのだが・・・。 同年代(実際はちょっと年下だけど)からしても、計画がゆるいんですよ、郁子さん・・・。私だったら、絶対田舎暮らしなんかできないもの・・・因習めんどくさすぎて。幸いにして義母は、息子夫婦に頼りまくるとか地方の因習に囚われて小うるさく口出しをしてくるとか、そういうことをする人じゃなかったから、よかったですけどね(そういう話かと思って、ちょっとビクビクしてました)。そっちの方は、逆によかったんですけどね、まぁ・・なんというか、〈ザ・田舎〉な男尊女卑というか女性蔑視が、まかり通ってるんですよ、この栗里市というところは。図書館のある総合施設…

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『オムニバス』/誉田哲也 ◎

誉田哲也さんの〈姫川玲子〉シリーズの短編集。『オムニバス』って題名、結構そのまんまですね(笑)。シリアスで壮大な事件ではなく、警視庁に所属する姫川が所轄に取り調べの応援に行った事件などを、姫川の周りの人間が姫川をどのように見ているかを通して描いていくので、サクサクと読みやすかったです。 全編を通してなにか一つの事件に収束するという連作短編ではなく、事件はそれぞれが独立していてきちんと解決されるので、気軽に読めました。警視庁捜査一課の姫川班のメンツが、姫川の強さ頭の良さ、そして危うさをそれぞれに感じていてそれが語られることで、より姫川という人間像がくっきりしてきますね。美人で強気で、頭の回転も早く、事件解決に猪突猛進で、直感的な判断で捜査をする危うさもある姫川の魅力が、余すところなく描かれてました。 中でも50代の女性巡査部長・日野とのやり取りが描かれる、「赤い靴」と「青い腕」は両方からお互いを見る視点で描かれていたので、面白かったです。日野は既婚者で、子供は独立、夫は定年した身。独身貴族で捜査一辺倒で家族とはあまりうまく行ってない姫川とは、全く違った境遇ながら、同じ事件を追うという立場で、階級差は年齢を逆転しているというちょっと複雑な関係。姫川に対し「ちょっとけむたい」と感じている日野が、2つの事件を経て少し親近感を覚えるようになった、というのが良かったですね。「少し」というのがポイント(笑)。 どの章でも、姫川の毒舌(口に出すこともあれば、心の声であることも)が、言い得て妙というか「そうそ…

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『スモールワールズ』/一穂ミチ ◎

何気なく始まる、6つの物語。穏やかに、普通に生きている彼らに訪れる出来事は、彼らをどう変えていくのだろうか。一穂ミチさん、去年の本屋大賞に本作『スモールワールズ』がノミネートされたことで知った作家さんですが、これら6つの短編それぞれが違った風合いで、驚きました。 本屋大賞にノミネート、ってことしか知らないけど、すごく話題になってるし読んでみようかな・・と図書館で予約したもののなかなか順番が回って来ず、やっと手にしたのが一昨日のこと。でも、読み始めたらすごく惹き込まれて、結構なスピードで読み進めることが出来ました。 何となく、ほのぼの系かなと勝手に思ってたので、「ネオンテトラ」のラストにはビックリというかゾッとしたというか。うひゃ~!って感じ。姪に少年の子供を身籠らせたらいいって発想も怖いし、姪の子供を手に入れることになったら飼ってたネオンテトラをトイレに流してしまったっていうのが、より怖い。そんな主人公に穏やかに育てられる子供・美緒。彼女が真実を知る日には、また別のドラマが生まれるんだろうなと思うと、未来が怖くなりました。 そして、始まった新しい物語、「魔王の帰還」。妙に訳ありな気配のある高校生・鉄二。急に婚家から帰ってきた姉・真央は非常に体格がよく性格も豪快で、子供の頃から「魔王」とあだ名されていた。姉の帰宅の本当の理由、鉄二のクラスメイト・菜々子と3人で挑むことになった金魚すくい大会、そして姉は夫の元に帰ることになる。3人が3人共、微妙な事情で日々の生活にギクシャクしているのを打開する、…

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『めぐりんと私。』/大崎梢 ◎

種川市の移動図書館・本バスのめぐりん号。本作『めぐりんと私。』は『本バスめぐりん。』の続編。本好き、図書館好きにはたまらない作品ですよねぇ。前作読んだのは5年ほど前ですが、すっと世界に入っていけました。大崎梢さん、ありがとう!!本作も、ほっこりとするような、素晴らしいお話でした!! めぐりんの運転手のテルさん、司書のウメちゃんが、各地の利用者たちが持ち寄るちょっとした謎に関わって、温かい関係が生まれていく。各章のメインになる利用者たちは、本が好きで優しくて、誠実な人ばかり。優しい世界だなぁ。もちろん、〈本好きに悪人はいない〉なんてことは言えませんけど、この物語に登場する人たちが、本が好きでめぐりんに対しても、関わる人たちに対しても、優しくて穏やかにいてくれることが、読んでいてホントに心地良かったです。 私が住んでるO市にも、移動図書館はあるんですが、私の家が図書館から徒歩3分なんで、利用したことはありません(笑)。でも、小学校低学年の時に、住んでた地区に移動図書館がのバスが来てました。本館が、子供だけで行くにはちょっと遠い場所にあったので、よく利用してましたねぇ。学校が終わったら、急いで駆けつけ、本を選んだり、友達と駆け回って遊んだり。すごく充実した〈図書館生活〉が送れてましたね~。元々本好きだったけど、〈図書館〉というものの素晴らしさを実感したのは、あの移動図書館の経験があったからですね。今住んでる場所を選ぶ際に、「図書館が近い」というのも結構な要因だったりします♪ どの章のお話も、本や図…

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『灰の劇場』/恩田陸 △

よくわからないまま、読了してしまった・・・。この物語の主眼は、どこにあったのか理解できないまま最後まで来てしまい、自分の読解力はダメすぎるんじゃないかという思いで、ちょっと悲しくなってしまいました。恩田陸さん、難しすぎるよ!!『灰の劇場』の時系列のバラバラさに悩みながら、読むのにとても時間がかかってしまいました。 とある作家が、20年も前に読んでずっと心に引っかかっていた〈同居していた40代独身女性2人が、橋の上から飛び降り自殺〉という新聞記事を物語化、それが舞台になって・・・という話の合間に、その独身女性2人の語る当時の生活、作家が幻視する女性2人・・という入れ子細工のようなパラレルのような、複雑な構成。 もう小説自体は完成して刊行されていて、舞台化されたわけなんだけど、小説の内容があまり伝わらないせいで読んでいて不安になってくる上に、舞台化されるのをオーディションから立ち会う作家が、「私達をわかりもしないのに」「私達を放っておいて」と顔の見えない彼女たちから抗議される幻像を見たりするものだから、わけがわからなくなってしまいました。 ラストシーン手前で降りしきる灰色の羽毛を幻視した作家は、このあとどうなったんだろうか。 死を選んだ2人の女性たちのその理由は作中作家の調査では分からず、推測だけはされるんだけど、それが正しかったかどうかはわからないし、小説でどう描かれたのかわからないまま、物語が終了。 う~~ん、わからん。更にいうと、わからないことが不安なのか、或いは40代の女性の閉塞感は…

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