『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の見方入門(2) 』/山田五郎 ◎

「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門 2 [ 山田 五郎 ] - 楽天ブックス山田五郎さん、You Tube「山田五郎 オトナの教養講座」で、毎回楽しい絵画解説を視聴してます~!!絵画鑑賞だけでなく芸術全般的に鑑賞力の低い私ですが、そんな私にも楽しめてわかり易い内容の動画、本当に毎回ありがたいな~と思っております。その動画の2022年アップ分を書籍にした本書、『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の見方入門(2)』。第1弾の『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の味方入門』に引き続き、動画で見たことの復習・思い出し・そして自分のペースで鑑賞が出来、とても良かったです! 今作では「はじめに」で、著作権使用料について五郎さんの思うところが縷縷述べられ、たしかにねぇ・・・著作権は守られてしかるべきなんだけど、毎年更新とかお金的にきついよねぇと思っちゃいますね。1年目はともかく、2年目以降は内容によっては無料とかせめて割引とかあったらいいのになぁ、と。こんなに芸術振興に尽くしてる動画、たしかに収益化してるとはいえ、認めてもらえたらいいなぁ・・・って思います。 今作でも「早わかり西洋美術史年表」と「ざっくり人物相関図」がありましたが、まぁまぁ複雑(笑)。◯◯派、〇〇主義、たくさんありすぎて私の許容範囲を超えてしまって全然覚えられません(笑)。相関図も血縁から師弟関係から交友関係、影響受けたとか反発とか色々、なので内容を読み進めつつも、時々ここへ戻って…

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『ママ』/神津凛子 ◯

ママ [ 神津 凛子 ] - 楽天ブックス 〈イヤミス〉ならぬ〈オゾミス〉という書評を見て、「悍ましいミステリー?いかほどなものかしらん?」という興味本位で図書館に予約を入れてしまった本作『ママ』。著者・神津凛子さん、この作品以外も「日常と隣り合わせの恐怖」を描く作品があるそうで、そのうち〈オゾミスの女王〉とか呼ばれるようになるんでしょうか・・・。 地方の古い団地に暮らすシングルマザー・成美。食品工場で働き、娘・ひかりは保育園児。団地の隣の住人・三田さんは、独居老人。最初はわだかまりがあったものの、とある事件を経て母子共に仲良くなる。ひかりの誕生日、自転車の鍵を外し忘れた成美が自転車に戻ったその一瞬の隙に、ひかりは団地の階段から転落。運ばれた病院からの帰路に襲撃された成美が目を覚ましたのは、見知らぬ空間。そして見知らぬ男が「娘の情報を知りたければ、過去を語れ」と成美に命令する。手足を束縛されながらも、脱出を試み、男に反撃しようとするもののうまく行かず、成美は男から様々な暴力を受ける。なぜ、男は彼女を拉致監禁したのか。 途中で、「あ~、この男の素性は多分アレだな」というのがわかってしまったのだけど、その恨みを何故成美に向けるかがよくわからなくて、なんだか消化不良のまま酷い暴力描写が続くので、非常に気分が悪かったです。男が成美を恨んだ流れがなんとかわかってからも、「だから何だよ!」というムカムカは収まらず。最終的に、成美が「母である強さ」を発揮して男を打ちのめして脱出、男は自分の弱さと向き合って…

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『天満ばけもの巡り ~新・雨月物語~』/富樫倫太郎 〇

【中古】 天満ばけもの巡り 新・雨月物語 / 富樫 倫太郎 / 中央公論新社 [新書]【メール便送料無料】【あす楽対応】 - もったいない本舗 楽天市場店 かつて、私・水無月・Rが学生時代一番真剣に取り組んだ文学、『雨月物語』。その作者である上田秋成が、まだ著作を始める前の物語。とはいえ本作は、ほぼ『雨月物語』と関係がないです。ちょっと残念。 前作である『曽根崎比丘尼 ~新・雨月物語~』を読んだのが、2010年の1月。その時点で続編があることはわかっていたのですが、何となくそのままになってしまっていて、14年半の歳月を経てしまいました。 前作の事件で犯人と目され投獄されてしまった未だ上田秋成になってない仙次郎は、事件被害者の証言によって、なんとか獄を出ることができたのだけれど、その証言をしてくれた人の「天満に出る幽霊を捕まえてくれ」という頼まれ事を果たすために、天満の北木幡町を訪れる。幽霊が出るという家を訪れると、その家の使用人だった女が庭を掘り返していることに気づき、その女を罠に掛けると、家には「笑い猫」という化け物が現れ、女を殺し、強欲な大家とその使用人たちをも殺し、更には仙次郎とともに幽霊屋敷を見張っていた徘徊仲間の茶狸(さり)を攫ってしまった。 茶狸を救うために、仙次郎は勝峯寺の小僧・楽哲とともに、天満のばけものたちのもとを訪れ「笑い猫退治」に協力してくれるよう頼み、なんとか異界に隠れる笑い猫のところへたどり着く。ばけものたちの死闘により、笑い猫は封じられるが、その際仙次郎と楽哲は…

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『コメンテーター』/奥田英朗 ◎

コメンテーター [ 奥田 英朗 ] - 楽天ブックス 久しく読んでいなかった奥田英朗さんの〈伊良部シリーズ〉。しかし、そんな長い休養期間(笑)をものともせず、パワーアップすらして帰ってきましたよ、トンデモ精神科医・伊良部が!!今回、なんと伊良部がワイドショーの『コメンテーター』を務めるという、という放送事故多発しか目に浮かばない事態から、物語が始まります。 うん・・・、だよねぇ(笑)。前作『町長選挙』の時も、「伊良部って、本当は名医なの?そうなの?!」って、書きまくってましたよ、私は。それは、年も前のことなのに、いまだに覚えてます(笑)。で、本作でも、ついつい〈伊良部って、ホントは名医なの?!すごい精神科医なの?!〉が、頭をぐるぐる回ってしまっていました。 ・・・いや、絶対に違うんだけどね。違うんだけど、なぜか、患者たちはみんな回復しちゃうのよ。「行動療法」と称して伊良部(時には看護師のマユミまで)の欲望やらおふざけやらに付き合わされる患者たちにとっては、迷惑極まりないはずなのに、結局は自分が籠っている殻をぶち破る結果になって、彼らは回復して通常生活(ただし伊良部の影響は残ってるので、ちょっとクレイジーな傾向がある)に戻っていく。そして、たぶん、彼らは再発しないでしょう。「行動療法」というか「ショック療法」ですよねぇ。他の医者じゃこうはいかない(だって普通のお医者さんは、こんなにぶっ飛んでない)し、たぶん他の患者では同じ療法は効かないんでしょうねぇ。オーダーメイドな療法といえば聞こえはいいけ…

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