『ライズ 星の継ぎ人たち』/タニス・リー ○

『ウルフ・タワー』シリーズ第2作目。主人公クライディは放浪の民のリーダー・アルグルとの結婚式直前、ウルフタワー脱出の際に騙した<シティ>の護衛に攫われる。しかし、ウルフタワーのある<シティ>に辿り着くことはなく、<ライズ>へと連れ去られる。『ライズ 星の継ぎ人たち』では、更に数奇な運命をたどるクライディ。

<ライズ>の宮殿は、部屋部屋が生きているかのようにランダムに動く。宮殿の外は、奇妙な動物たちあふれるジャングルが生い茂っていた。どちらも<ライズ>宮殿のプリンス、ヴェンの母の科学力によるものであった。クライディは<ライズ>を脱出しようと、ジャングルに出るが結局<ライズ>宮殿に戻り、ヴェン・ロボットのジョットー・奴隷のグレム・ヴェンの幼馴染のトリークルと共に、情報を得るために「図書室探索の旅」に出るが、「図書室」は中々見つからない。仲間が離れ離れになったりした後、やっとたどり着いた「図書室」で分かった事(ヴェンの家系図やヴェンの母ウスタレスがライズに送り込まれた訳)をもとに、クライディとヴェンは、夜間に<ライズ>を照らす人工物<ウルフ・スター>を目指す。

 そして、<ウルフ・スター>をあがめる村にたどり着いたとき、ヴェンとその母の真実が明らかになる。そしてクライディはヴェンに別れを告げ、<ウルフ・スター>に乗り組み、<ライズ>を脱出する。

「ウルフタワー」シリーズは、今まで水無月・Rが読んできたタニス・リーとは違う、明るいファンタジーだ。ダーク・ファンタジー(耽美な幻想世界)じゃないのは残念だが、ライトノベル感覚で読みやすい。<ハウス&ガーデン>しか知らなかった少女が、<荒地>・<シティ>・<ライズ>へ行き、色々な事を学んで身につけ、成長する。・・・うう~ん、爽やかだ~。

(2007.2.26 読了)

ライズ星の継ぎ人たち
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ウルフ・タワー 著者:タニス・リー/中村浩美出版社:産業編集センターサイズ:単行本ページ数:347p


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