という但し書きから、物語は始まる。虚々実々、作者の語る蘊蓄と架空の物語が混ざり合い、未だ世に明かされない「聖杯伝説」が解き明かされていく。
最初に単行本になった時に興味を覚えた『ダ・ヴィンチ・コード』
だが、その前に並ぶ「読みたい本リスト」をこなしてるうちに映画化され、図書館の予約殺到。30人以上待ちとなると、ほとぼりが冷めてから予約を入れようという気になり、結局この日まで延び延びに・・・(笑)。
今回、文庫版上・中・下で読んだんですが、案外早く読めましたね。蘊蓄がすごいと聞いていたので、理解しながら読むのに時間がかかりそう、と思ってたんですが、その蘊蓄が素人向けにかなり噛み砕いた解説だったので、予想以上に楽に読めました。へぇぇ、聖杯って、キリストの血を受けたグラスじゃないんだぁ。固定概念(インディジョーンズ?)でずっとそう思ってたので、テンプル騎士団とかシオン修道会の探し求め、守り続けた物が物体ではなかったというのに、ビックリ。
聖杯を象徴するものを探すストーリー、結構ご都合主義的なところもあるような気が・・・。なので、○です。
ですが、いろいろなものを結びつける、暗号解きには「私のアタマでは発想できない・・・すごい・・・」の一言。ルーブル美術館館長・ジャック・ソニエール(つまりは作者)の紡ぎだす暗号には感心するばかり。頭が単純にできてるもので・・・。さらに言えば、聖杯伝説なんて詳細知らないし・・・。
二転三転する、敵味方。どの登場人物が「オプス・デイ」とつながっていて、事件を指示している「導師」が誰なのか、主人公・ソフィーとラングドンの真の協力者は安全なのか、最後のほうまでわからない。判ったら判ったで、驚くべき人物が「導師」だし、ソフィーの家族の秘密は「シオン修道会の守る聖杯」だったりするし・・・。
気になったのはファーシュ警部の頑ななまでの、ソフィー&ラングドン逮捕への執念。絶対「導師側」の人間だと思ったんだけどなぁ・・・。ラングドンを犯人と決め付けて、最初から隠密監視をする、強力な根拠はどこにあったんだろう・・・ソニエールの予定表と手元にあったラングドンの原稿?それは状況証拠であって、実際的な殺人事件の証拠じゃないと思うんですよね~。冤罪じゃん。まあ、最後にファーシュも誰が犯人かを突き止めて(但し犯行の真の理由は理解してない模様)、ソフィー&ラングドンを保護する側に回ったのだけれど。
緊迫した展開、繰り広げられる暗号、ダ・ヴィンチをはじめとする蘊蓄の数々、ち密に織り上げられていくストーリ-。それでいて、素人にも理解できる、わかりやすさ。ダン・ブラウンのほかの作品も読んでみたくなった。
(2007.07.18 読了)
この記事へのコメント
やぎっちょ
水無月・R
TB&コメント、ありがとうございます!
『天使と悪魔』、実は「読みたい本リスト」に入ってます~。よし、ソッコー予約だ!(M市図書館に走れ!、水無月・R!)