『ダ・ヴィンチ・コード』につづきまして、『天使と悪魔』、読みました~。ダン・ブラウンは2作品目ですね。と言っても出版はこちらの方が先ですし、シリーズとしてもこちらが1作目なわけですが。
・・・で、ですね。思わず、うなりました。
こっちの方が、面白いやん!と。
今回も、冒頭に「事実」という1文が入っていて、「反物質」の説明がなされてます。さらに、文中にある建造物や彫刻なども、実際に今、ローマにある、ということですから、・・・それら事実をもとに、これだけすごい作品を作り上げる、すごいですね~
。
。『ダ・ヴィンチ・コード』より面白いなと思った処は、「素人にもわかりやすい謎解き&スリル&サスペンス」が猛スピードで駆け抜けていくところですね(より理解しやすかったということです)。宗教と科学の対立とか、半世紀前消滅したはずの秘密結社「イルミナティ」の謎とか。『ダ・ヴィンチ・コード』は「無宗教」な私にはどうも理解しにくい、「キリストは人間であった」についての攻防戦だったので、何もそこまで…みたいな気持もあったのですが、今回は、理解出来たような気がします。
核の数十倍のエネルギーを持つ「反物質」が、スイスの研究機関・セルンから盗み出され、生成した科学者は胸に秘密結社「イルミナティ」の焼印を押されて殺される。イルミナティの紋章の謎を解くべく、アメリカから紋章学の専門家・ロバート・ラングドンが呼び寄せられる。ラングドンは反物質開発者の娘・ヴィットリア・ヴェトラと共に、反物質の行方を追って、ローマ・ヴァチカン市国へ飛ぶ。おりしもヴァチカンでは、急死したローマ法王の後継者選挙「コンクラーベ」が行われるところだった。
過去のイルミナティの悲劇を模した、4人のコンクラーベ候補者暗殺。その暗殺の地への暗号を解きつつ、ラングドンとヴィットリアはローマを駆け抜ける。が、暗号の読み違い、復讐の実行者・ハサシンの巧妙かつ強引な手口により、候補者4人ともが胸にイルミナティの象徴の焼印を入れられた末に、喪われる。
攫われたヴィットリアを追って、イルミナティの本拠地に乗り込んだラングドンは、ヴィットリアの協力もあり辛くもハサシンを破るが、イルミナティの指導者がヴァチカンに乗り込んでくることを知り、急ぎ戻る。ヴァチカンでは前教皇の従者・カメルレンゴがセルン所長・コーラーと対決、胸にイルミナティの4つの象徴を合わせかたどった「イルミナティ・ダイヤモンド」の焼印を押されていた。カメルレンゴは神からの声を聞き、サン・ピエトロ大聖堂の地下深くに隠されていた反物質を発見、爆発寸前のそれをヘリコプターでヴァチカンから遠ざけようとする。同行したラングドンは、最後の瞬間ヘリコプターから飛び降りる。ローマでは、上空での爆発にすべての市民が目を奪われていた。
生還したカメルレンゴを教皇に、というコンクラーベの意見を、選挙を取り仕切るモルターティは押しとどめる。そこへラングドンが恐るべき証拠をもって現れる・・・・。ここからが、大どんでん返し!なのですよ。
超ネタばれ注意
です。
です。なんと、イルミナティは「人々の心を教会に取り戻すには、共通の強大な敵が必要」というカメルレンゴの信仰心故の、行為だったのである!もちろん、反物質も本物、教皇暗殺も、4人の候補者暗殺もすべて、カメルレンゴの仕組んだ罠。
最初、怪しいのはスイス衛兵隊長かな~、と思っていたら途中で死亡。副隊長のロシェを怪しんでいたら、そうと判明、・・・と思ったら、実は意外な人物がイルミナティの脅威を借りて、ローマ・キリスト教世界を脅す自作自演の狂言を行ってたなんて・・・。水無月・R、カメルレンゴの「科学は進歩したが、倫理は置いてけぼりだ」的な演説についついうなずいてしまってたんですけど・・・。全然怪しいと思ってませんでした。ヴァチカン内の裏切り者は誰だ!というのはずっと気にしてたんだけどな~。
ただ、広場にいる群衆の前で神がかって啓示を受けたあたりから、妙に芝居がかかったきな臭さ感じはしてましたが。ヘリコプターに乗り込んで反物質爆破というのも予定調和っぽい感じでしたし。
ダラダラとストーリーを描いて、感想はちょっとでしたが、非常に素晴らしかった!と申し上げましょう。
謎解きも面白かったし、宗教って?という問いかけも良かったし(答えは人それぞれですけどね)、ラングドンの中年(40代だっけ?)とは思えない活躍ぶりもすごかった。何回も死にかけてるし。(あぁ、あれだ、ヴァチカンの資料室で閉じ込められて死にかけたの、あれはカメルレンゴのしわざだよね?)プロの暗殺者と対等に渡り合ったりして、アメリカ人大学教授って、強靭なんだな~(←それは違う、個人差だよ・・・)。
(2007.08.17 読了)
この記事へのコメント
かときち
私もダヴィンチ・コードより天使と悪魔の方が面白いと思っているひとりです♪
コレ読んでイタリアとバチカンに行ってみたいと思いました。…単純ですが(笑)
水無月・R
人それぞれだとは思うんですけど、こっちの方がより面白い!と思う方が他にもいるって、ウレシイです♪
紫陽花
そこで、この「天使と悪魔」について、コメントしたいと思います。
科学の最先端技術、科学とキリスト教の対立の歴史、秘密結社。
そして図像学。逆さまにしても同じように読むことができるという、アンビグラム化された紋章が、実際に本に載っているというのもいいですね。
現代のコンピュータを駆使しても、この完全対象形を作り上げることが出来ないでいるというのは正直どうかと思いましたが、しかし、それにしても、この紋章の完璧な対象性は非常に美しく、紋章そのものが力を持っているようにも感じられてしまいました。
そして、科学とキリスト教の対立という少々重いテーマの物語なのですが、ミステリとしての謎解きと見立て殺人、内通者と裏切り、そして、ハリウッド映画的なアクションとサスペンスが見事に融合しており、読み終えての感想としては、とても読みやすい作品でしたね。
さすがに、ベストセラー作家だけのことはありますね。
モチーフがこれだけ沢山詰め込まれていることを思えば、この読みやすさは特筆すべきことなのではないでしょうか。
ただ、難を言えば、主人公のラングドンや暗殺者ハサシンがもう少し魅力的だったら、というところなのですが-------。
序盤で語られた、レオナルド・ヴェトラの提唱する科学と宗教の両立は、非常に興味深かったですし、ビッグバンを再現する実験は、ぜひ見てみたくなってしまいます。
わずか1グラムでも広島に投下された原爆と同じだけのエネルギーを持つという反物質の説明も、物理学にあまり興味がない人間にも非常に分かりやすく書かれていますね。
セルンなど、実在している施設が舞台になっているというのも驚きです。
そして、ヴァチカン市国内の描写、サン・ピエトロ大聖堂はもちろん、スイス衛兵隊や図書館の描写もまた、とても興味深かったですね。
まるでローマ市内の名所旧跡を早足で観光したような感覚なんですね。
この歴史の重みを持つ舞台設定が、またリアリティを生み出しているのでしょうね。
水無月・R
科学的な事の真偽はよくわからないのですが(ワタクシ完璧文系人間なもので・・・)、それでも面白かったですねぇ。
とにかく、ラングドンがアクティブに駆け回る!(笑)
猛スピードで展開する物語、実際の地理やキリスト教研究や史実を丁寧に織り上げた構成、素晴らしかったです。
最近は、全然海外作品を読めていないのですが、紫陽花さんのコメントにお返事を返していたら、また読みたくなってきました。