水無月・R、基本的に「図書館で借りて読む派」なんですが。
有川浩作品はやっぱり網羅したいわけですよ。有川さんは私の萌えの神ですから。この「海の底 前夜祭」は、情報によると、当分本になりそうにないようなので、やっぱりチェックせねば!と
買っちゃいましたよ、『電撃文庫 MAGAZINE』。
アニメ「図書館戦争」のページもあるし・・・。
この物語は、『海の底』の冒頭で、「何故、夏木と冬原が腕立て伏せをしていたか」の理由の物語です。
横須賀に巨大甲殻類が襲来する少し前。自衛隊潜水艦「きりしお」。そこで、すでに物語は始まっていた。
てな訳で、登場人物は、すべて男性自衛隊員(女性の潜水艦乗りはいないのです)。女性が出ないので水無月・Rの大好きな「はちきん」も登場しない、のたうち回って身悶えしまくりなベタ甘ラブロマもありません。
でもッ!そこはぬかりなく有川作品です!
緊迫感のある戦闘(?)の中にも、ぷぷぷ、と思わず笑える場面が。やっぱり有川さんは素晴らしいですな~!
緊張感あふれる、「きりしお」占拠作戦。指揮を執るのは冬原。そしてその襲撃作戦を防御するのが夏木。
いや~、舞台裏知らなかったら、福井晴敏作品を想像しかねないほど、緊迫した事態ですよ。自衛隊の潜水艦を乗っ取るって、『亡国のイージス』みたいじゃないですか。
でも、実態は(笑)。
「占拠」「破壊」「死亡」の貼り紙。2時間放置された立ち番(停泊時の見張り)。しかも最後に、夏木と冬原が「どっちが先に王手をかけたか」で言い張りあってるし。
少年の悪ノリですよね。そりゃ~お仕置きに、腕立て伏せをさせられるはずですわ(笑)。
渡邊艦長が、いいオヤジさんでしたね。なんか、このあと『海の底』で、あんなことになっちゃうなんて・・・。なんか悲しいなぁ。すっごく、いい人じゃないですか。あんだけとんでもない騒ぎを起こした2人を目の前に、
~~「遊んだ後は片付ける、子供でも出来ることだよな?ん?」~~ (本文より引用)
と脅しつつ、2人が去った後には
~~「いま日本で有事が起こったとすれば、海自の実習の中で一番使い物になるのはうちの悪ガキどもだ」~~ (本文より引用)
なんて言ったりして。悪ノリだけど、実践的で、しかもちゃんとした作戦および対処になってることを認めてるんですね。器の大きい人だなぁ。
今回は「萌え」要素がないので、珍しく有川作品なのに、理性が飛んでない水無月・R。
萌えはないけど、夏木と冬原、すごくらしくて微笑ましい気持ちになりました。この時点では、2人はまだ少年を残してる。だけどこの後、『海の底』での経験を越えて、少年ではなく青年になった、と思うのです。そう思って読むと、結構感慨深いなぁ。
ちなみに。今回、脇キャラ好きな水無月・Rの心の琴線(笑)に触れたのは、甲板で2時間簀巻きにされてた、水瀬士長ですね。2時間ずっと放置プレイ(激笑)!他の連中はドンパチやってたのに!いいよ、水瀬士長!
(2008.04.20 読了)
電撃文庫MAGAZINE (マガジン) 2008年 05月号 [雑誌]
この記事へのコメント
香桑
いやーもー。ほんとに、悪ガキで可愛かったです。
白い怪鳥
>少年の悪ノリですよね。そりゃ~お仕置きに、腕立て伏せをさせられるはずですわ(笑)。
腕立てで済んだのが、ある意味スゴイですよ。
この作品を読んで、更に艦長への思いが伝わってきました。
この後、「海の底」を読み返すと、さらに来そうですよ。(;´_`;)
すずな
水無月・Rさんも買っちゃったんですね~。私も同じ理由で購入を決意しました(笑)
夏木&冬原の少年っぷりが可愛いですね~!
そうそう。これがアレの前夜のことかと思うと感慨深いものがありますね。
水無月・R
このあと彼らに降りかかる事態が、あまりにも過酷だからこそ、この物語を微笑ましく感じられますね。
二人は、可愛らしいですよね♪
>白い怪鳥さん、ありがとうございます。
ありゃりゃ?TBが出来てなかったですね。すみません・・・。
腕立てですんだのは、やっぱり館長さんの度量の大きさでしょうね。この後「海の底」へと物語が続くとなると、この2人の艦長への思いは…うぅっ、来ますよね、ハイ(T_T)。
>すずなさん、ありがとうございます。
あの事態の前夜。それを思うと、渡邊艦長の彼らに対する期待と見守る温かさが、とても心に迫りますね。