もう3巻目まで来れば、立派なラノベシリーズの読者だ!と言っても良いですよね~。
時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズ3冊目です。
喋るモトラド(自動2輪車)・エルメスとパースエイダー(銃器)有段者・キノの旅はひたすら続く。2人の出会う地域や国の物語が、淡々と綴られてゆく。
『キノの旅 Ⅲ-the Beautiful World-』
口絵「愛と平和の国」
亡国の王子・シズ様と喋る犬・陸、軍隊を持たない国とその隣国に辟易する。
プロローグ「雲の中で・b」
白い雲に覆われて、身動きが出来なくなった、キノとエルメス。
第一話「城壁のない国」
遊牧民のテントに滞在するキノ。その旅の秘密とは。
第二話「説得力」
老婆にパースエイダーの訓練を受ける、キノ。あれ?こっちが・・・?
第三話「同じ顔の国」
クローンは悪か?全く同じ顔でも人格は違うのに?
第四話「機械人形の話」
作り主の心を守り抜いた、3体。人の心を備えた彼らの末路。
第五話「差別を許さない国」
伏せ字の意味も読み取れなくなるほど、伏せ字だらけな国。実情は・・・。
第六話「終わってしまった話」
あ~びっくりした。終わってしまった話は、別の人間のもので。
エピローグ「雲の中で・a」
あまり見たくない景色の中、二人に吹き寄せる白い塊。
キノは、旅した国や地域を、そこに暮らす人々を断罪しない。ただ3日間逗留して、すべてを見聞きし、また旅立ってゆく。人間ではないエルメスはもちろん、キノも、とてもフラットな視線で全てを受け入れ、受け流す。それが出来ないと、旅は続けられないのだ。それが出来るから、旅を続けられるのだ。
時雨沢さんの描く世界。「ひと」の色々な部分をわざとらしいまでに、デフォルメして。エゴだったり、優しさだったり、思いやりだったり、醜悪な部分だったり。
これだけ色々な国を思いつく時雨沢さんって、すごいな~と思います。
そして、キノとエルメスというキャラクターが、とても「らしい」対応をする。少しひねくれてるけど、ありのままにその国の習慣や文化を認める。なかなか簡単にできることではないと思いますよ。
時雨沢さんの「あとがき」は毎回形式が違うんですが、今回はキノ&エルメスが出演中?ですね。
シニカルな子たちだわ~。
(2008.07.25 読了)
この記事へのコメント
藍色
旅を続けられる理由を深く考えてなかったんですが、確かに、受け入れ受け流すことが出来るからっていえそうです。
水無月・Rさん、すごいなって感心しました。
このままだと追い抜かれそうですね(汗)。
水無月・R
いえいえ・・・相変わらず勝手な妄想が勝手に暴走しておりますよ。
作者さんに苦笑いされそう(^_^;)。
と言いつつ、妄想癖はやめられません(笑)。
苗坊
本当にちょっとずつですが読んでいます。
最新刊までたどり着くのはいつになるやら。
にしてもこんなにたくさんの人間模様を描くことができる時雨沢さんは凄いですね。
キノ同様、何だか勉強になります。
キノの過去も気になります。
水無月・R
私も、かなり間あいて読んでますよ~♪
淡々といろいろな旅が描かれるのが、いいですよね。
どんな国を旅しても、キノとエルメスの基本がぶれないのがとても好きです。
ちょっと身につまされるような国があったりして、痛いのですけどね(^_^;)。