時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズも、もう5冊目。
喋るモトラド(自動2輪車)・エルメスとパースエイダー(銃器)有段者・キノの旅はひたすら続く。2人の出会う地域や国の物語が、淡々と綴られ、彼らはどんなことも自然体に受け入れ、受け流していく。潔いほどに。
『キノの旅Ⅴ-the Beautiful World-』。
プロローグ「夕日の中で・b」(カラー口絵)
キノではない青年・ウィルが世界は輝いている、とつぶやく。
第一話「あの時のこと」(カラー口絵)
キノに「一緒に連れてって」と頼む少年の、将来は。
第二話「人を殺すことが出来る国」
クレープてんこ盛りな国で、キノが瀕した危機とは。
第三話「店の話」
理想的な店主の店の、完璧な商品。キノには要らないものだったけど。
第四話「英雄達の国」 -No Hero-
なぜか、襲撃されるキノ。
第五話「英雄達の国」 -Seven Heroes-
第4話で襲撃された理由。
第六話「のどかな国」
亡国の王子・シズ様と喋る犬・陸、登場(笑)。一瞬移民を考えたけど(笑)。
第七話「予言の国」
どこかで聞いたような話。予言はこじつけだよね。
第八話「用心棒」
もしかして、師匠?な女性が、相変わらず裏切り三昧?
第九話「塩の平原の話」
干上がった塩の湖の所有権を争う、元・家族。
第十話「病気の国」
完全に清潔な国の裏に潜む、病気治療薬の真実。
エピローグ「夕日の中で・a」
プロローグの少し前。飛行場に立ち寄ったキノを回想する見張り台の男たち。
おとがそ(あとがき)
時雨沢さんちに電話をかけてきたのは、キノなのか?
相変わらず、あとがきがぶっ飛んでます、時雨沢さん。
キノが54歳・大学教授(男性)で喋り方も全然キノらしくない、って相当怪しいのに、何故か作者本人と編集さんと時雨沢さんちのクモしか知らないネタを喋り散らして、電話を切っちゃうという・・・。
コレはアレですか、作者脳内パラレル設定(笑)?!
なんていうか、スゴイな・・・あはは(^_^;)。
そして、私の大好きなトホホ属性のシズ様、コンスタントに出演中ですね~。スッゴク真面目で、スッゴクいい人(しかも多分、相当なハンサムさん)なのに、いかんせんトホホ属性。ここまで来るともう、「密かにお慕いしております」と言うより、絶賛トホホ萌え中!と宣言した方がイイのではないだろうか、水無月・R(笑)。
キノは旅を続ける。
本当の理由は分からない。けれど、それを見つめている読者の自分は、いつまでもキノに旅を続けていてほしいと心から願っている。
「ひと」の世は、さまざまな面を持つ多面体。決して滑らかな球体ではなく、デコボコと凹凸があり、時に深い谷や壮絶なまでに峻険な山があり、それぞれの国や地域で全く違った習慣や文化や価値観がある。
全てを知りうることは、「ひと」には不可能だろう。ただ、時雨沢さんが描く「キノの旅」シリーズで、そのほんの一端を知るのみだ。
まだまだ続くこのシリーズ、とても楽しみですね~。
キノとエルメスの軽妙洒脱なやりとり、シズ様と陸のトホホ物語、そして師匠の寝返り話。
どれもが、非常に面白い。どんなに醜いことも、どんなに美しいことも、淡々と描いていくそのフラットさは、とてつもなくすごいことだと思う。
(2008.09.02 読了)
この記事へのコメント
藍色
あとがき、一応物語タイプで、まさに脳内パラレルでしたね(笑)。
シズ様、絶賛トホホ萌え中!に爆笑しちゃいました。
キャラ、国の特徴、描き方、それぞれのバリエーションも捕らえきれないほどで、
この先も楽しみです。
私は、まだ6巻までなので、追い越されそうですね(汗)。
水無月・R
次はどんな国がキノを迎え入れ、送り出すのだろう。
キノはどんな旅を続けるのだろう。どんな出会いがあるのだろう。
・・・そして、シズ様はやっぱりトホホなんだろうな~(^_^;)。
・・・と、楽しみです、うふふ。
苗坊
物語ももちろん面白かったのですが、あとがきをよんで全てぶっ飛んだ気がします^^;
54歳大学教授の男性であるらしいキノ。もうすべてが違いますけど・・・。
キノの旅はこれからもずっと続いていきますね。ほんのり癒されたり心をえぐられたりいろんな国がありますが、ずっと見届けていけたらいいな~と思います^^
水無月・R
あとがきがもうホント、なんて言うんでしょうか、凄過ぎますな(笑)。
全部違うのに、なんでか作者本人が動揺しているという…(^_^;)。
この巻以降も時雨沢さんは色々あとがきで遊んでいます。毎回非常に楽しいんですよね~♪