なんか久し振りに、有川浩さんの新作品を読む気がするんですよね~。去年は8月から12月にかけて、毎月「DVD図書館戦争付録」があって、毎月ぎゃーひー萌えのたうってたので、なんか有川さん不足だった最近の水無月・R。もはや中毒(笑)。
本作『三匹のおっさん』も、ベタ甘ラブロマ路線ではないものの、ノリノリで一気読みしてしまいました。
やっぱ有川さんて、萌えの女神降臨!
だわ~。

あちこちで「かっこいい!」「そう来るか!」「にゃにぃ~!」と奇声をあげながら読んでました。
もちろん、子供二人が学校行ってる間にね(笑)。
実を言うと、今回はホンのちょびっとだけなんだけど、困ったな・・・と思ってたのである。
いや、なんせタイトルに「おっさん」が入ってるでしょ?アラ還(還暦年代=60歳前後)なこの男性陣が、活劇つってもな~と、ちょっとだけ思っちゃったのですよ。
いや、だけど読んで納得、「60歳超えたからってジジイの箱に蹴りまれるなんざ、ごめんこうむる」という彼らの発言は、確かにそうだもの。
それに萌えもあるよ?おっさん萌え(笑)。喧嘩屋中年・玄田隊長に萌えられる人なら、キヨ・シゲ・ノリの3人組のカッコ良さは分かる!しかも高校生たちの「じれったい甘ラブ」もちゃ~んとあるし。
てな訳で、全然心配要らなかった!
すみません有川さん!やっぱ一生ついて行きますデスよ!(←迷惑)
定年退職し、嘱託でアミューズメント施設の経理監査をしている、剣道元師範・キヨ。居酒屋の元亭主で柔道家・シゲ。工場経営、機械なら任せろの頭脳派・ノリ。
この3匹のおっさんが、ご町内限定「正義の味方」として、様々な事件をばったばったと解決してゆく。
巨悪と戦う訳じゃなく、自分の手の届く範囲の人を助けるという、その手堅さがカッコイイ。
この3人にキヨの孫・祐希とノリの娘・早苗(高校は違うけど同級生)が時々加わって、物語は展開してゆく。
どこにでも起きそうな、だけど悪意の強い事件。三匹が解決してゆく事件は、こういう事件てあるよね、だけどこうやって読むとホント嫌だなぁ、ああ自分の身の回りも、結構イヤな危険があるんだなぁ~なんて危機意識が高くなります。
警察は民事不介入と知ってても、実際それ以外の選択を思いつきそうにない自分、まだ甘いなと思いました。
しかし、無敵に強いな~三匹のおっさんたち。武闘派のキヨ&シゲはもちろん、というより頭脳派のノリの方がある意味オソロシイ・・・(笑)。祐希が「三匹の中で最も危ねぇおっさん」扱いするだけあって、死なない程度に計算して一晩気を失わされる強化スタンガンやら、盗聴調べる機械やら、職質されて所持品検査されたらまずい代物をわんさか持ち歩いてるんである。
でも、3人とも真っ直ぐな信念というか、人としての正しさを持ってるから、全然怖くはない。たぶん私の知り合いにこんなおっさんがいたら、自慢できる。甘ったれる気はないけど、頼りに思える。
その3人の薫陶よろしく、祐希と早苗も人として爽やかで清々しい。是非、ウチの息子たちにも、こんなまっすぐで優しい少年に育ってもらいたいものだ、と思います。確かに茶髪でウォレットチェーンじゃらじゃらいわしてる、今どきの少年・祐希なんだけど、日和らない、甘えない、自分で考えて相手のためを思って行動できる。
祐希と早苗の高校生らしい、微笑ましいお付き合いに、高校生ラブは初々しくていいな~とか思っちゃう水無月・R、すっかり近所のおばちゃんか親戚のおばちゃん状態(笑)。
シゲ夫妻の「あうんの呼吸で分かるだろ」にちょっとだけ物足りなくて、不安な気持ちになっちゃう話も分かる。
ちなみに、キヨの奥さん・芳江さんが「三匹」の活動を察してたあたりは、まだその境地に至ってないので憧れます!密かに芳江さんファンですよ~、私。
それとね~。イラストがイイです。連載時に有川さんが編集さんにお願いし、編集さんが特攻かまして、勝ち取った須藤真澄さんのイラスト。スンバラシイです。そのセンスたるや、もう笑いと涙なくしては語れない。もちろん有川さんの文章あってなんだけど、すごく生き生き描かれてて・・・素敵です。
一番ツボだったのは第3話の後の、ノリの「エレクトリカル・パレード発動1秒前」。確かにこれは危険なおっさんだ~!
あ、あとね~、著者紹介の有川さんのイラストが、第四話の後の早苗と同じ恰好してるのも、やるな須藤さん!て感じです。
いやいや、どのイラストも愛があって、ホントいいです!
あ~いかんな~、相変わらず有川作品になると、文章がどんどん長くなる(笑)。
でも主張したいことはまだ色々あるんだよぅ~!文章のテンポがいいとか、笑い満載なのに社会派とか!
でも水無月・Rが何かをグダグダ言うより、読んで頂いた方が、皆さんすっきりするはずです。
なので、毎度のことながら、大声でこれを主張して終わりにしようと思います。
「読んでください、『三匹のおっさん』!!」
(2009.04.13 読了)
この記事へのコメント
白い怪鳥
こちらもお返しいたします。
アラ還世代=団塊世代=学生運動。
武闘派が多いわけですよw(^_^;)
リアルでも、この世代は元気ですからね。
水無月・R
アラ還は新聞で「アラ還パワー」的な記事を読んだ事ありますね~。
確かに元気ですよね、この年代♪
武闘派がホントに強いはずだ(笑)。
すずな
私もタイトルの「おっさん」にちょっと(あくまでも”ちょっと”ですけど!)不安を覚えつつ読み始めた一人です。そして、読了後(心の中で)有川さんに土下座しました~^^;
や~面白かったですね!わくわくもしたし、ムキムキ(怒)もしたし、じれったさも感じたし(笑)なんといっても、おっさん達がかっこ良かったですね!
このお話は続編を書いて欲しいです。その後のおっさん達や高校生達のお話が読みたいです~。
水無月・R
いえいえ、お気になさらず♪
面白かったですよね、ホント!おっさんたちカッコいいし。
続編、読みたいですねぇ。ご近所限定・正義の味方。だけど、実際の私たちの身のまわりにありそうな問題。だからこそリアルで切実で。
有川節があちこちで渋くキマってるのも、素敵ですもんね~(*^_^*)。
香桑
やはりタイトルで少し手をつけにくかったのですが、読み始めたら一気でした。有川さんの書くおっさんは素敵ですね。
すっきり気持ちいい感じの、きっとこの後も3人+αがわいわい楽しく日常を送っていそうな感じのする本です。
玄田隊長好きとしては、特殊部隊の人たちが定年になったらこういうシニア部隊を作って、また堂上に怒鳴られるんだろうなぁと、余計な想像まで花開いてしまいました。
水無月・R
おっさん強し(笑)。その一言に尽きまする。
あ、もちろん「じれったい愛」も健在で嬉しいんですけどね♪
シニア部隊・・・!み、見えましたよ水無月・Rにもっ!
雪芽
おっさんと侮るなかれ。
三人ともかっこよかったですね。ビシッと1本筋が通っていて、筋を通すだけの知恵と経験、おまけに力技もある。
お見事!参りました。
読み出したら止まらない。
高校生ふたりの恋のじれったさ。焦らされてる~、そこもまたよかったです。
水無月・R
おっさんてスバラシイ!と萌えました。
身の回りを助ける手堅さ、きちんと活劇&頭脳戦をこなす経験値。
かっちょええ~!でした。
じゅずじ
痛快でしたね。
こんな「おっさん」が街にいたら、あんまり悲惨な事件はおきないんだろうね(^^ゞ
オレも、めざせ「おっさん」!(笑
水無月・R
身近な所から助けてゆく、ご近所限定だからこそのリアリティ。カッコいいですよねぇ~。
こんなおっさんたちがいたら、ホント萌えます(笑)。
私も「カッコイイおばはん&おかん」を目指します~!(^^)!。
エビノート
水無月・R
挿絵の妙も非常に効いてましたね♪
そして是非、また三匹の大活劇を読みたいものです。
ERI
有川さんは、ツボを外さない方ですね(笑)
団塊の世代まで、きっちりターゲットに取り込むなんて、凄いですよ。
でも、私は、やっぱり、可愛い高校生カップルに萌え萌えしてしまいました。いいですよねえ。若いって・・(おばちゃん全開)
水無月・R
若いっていいですよねぇ(笑)。
アラフォーになったはいいけど、TVみたいにカッコいいことが一つもない私としては、親戚のオバちゃんノリで高校生カップルを見守ってますよ(笑)。
有川さん、次々新境地開拓ですよねぇ~♪
そして全ての作品が水無月・Rの心を鷲掴み!
いやいやホント、素晴らしい方です!
たかこ
きっぱり(笑) (^-^)
イラストが良かったですよね~、裏表紙のおっさんたちの変貌ぶりが素敵だったし。
もうちょっと、あたたかく見守ろうと思います♪
水無月・R
おっさんたちのカッコ良さ、結構シビレました(笑)。
そう、イラスト!あちこち小技が効いてて、スンバラシイと思いました♪