時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズ12冊目。
喋るモトラド(自動2輪車)・エルメスとパースエイダー(銃器)有段者・キノの旅はひたすら続く。
そして、妙齢美人な師匠とハンサムな弟子組、日本刀使い・シズとしゃべる犬・陸と無口な少女・ティーたちの組の旅も。
彼らの出会う地域や国の物語が、淡々と綴られてゆく。
『キノの旅 (12) -the Beautiful World-』。
カバー裏「寄付の国」
多分、師匠と弟子の話・・・。図書館の本だからカバーが外せませんでした。
口絵「山賊達の話」
山賊達が獲物を襲うべきかどうか、判断する。
口絵「パクリの国」
キノのスタイルを見て、色々言うおっちゃん。
口絵「願い」
エルメスの願い。キノの願い。・・・切実だな(笑)。
プロローグ「幸せの中で・b」
子供が生まれて幸せそうな夫婦を見送る、キノたち。
第一話「正義の国」
火山活動のせいで、気候が変わってしまった国。珍しくクールで終わったシズ様(笑)。
第二話「悪魔が来た国」
悪魔が来た。なんとそいつは、パンにバターを塗って食べたのだ!
第三話「求める国」
公開処刑に行き合わせた、師匠組・シズ組・キノ組。それぞれが、それぞれらしく。
第四話「日時計の国」
長年をかけ、日時計を建築して来た国。その顛末は。
第五話「努力をする国」
これで地球温暖化?師匠組が儲けた話。
第六話「続・寄付の話」
キノもやっぱり師匠の弟子、えげつな~い(笑)。
第七話「手紙の話」
命をかけて手紙を届けた。その手紙の内容は。
第八話「賭の話」
次に通るのが自転車だったら、車だったら。通ったのはエルメスに乗ったキノだった。
第九話「徳を積む国」
ポイント制で、罪が減刑される国。元大統領は・・・。
第十話「雲の前で」
生まれ変わった女の子と、モトラド。(←キノじゃない)
エピローグ「幸せの中で・a」
スペアパーツを管理するセンターで。
あとがき
普通っぽい始まり・・・だが14ページに及ぶあとがき(笑)。
と・・・とりあえず、書店へ行ってこっそり立ち読みしてきます、「寄付の国」。第六話「続・寄付の話」の前段階にあたる、師匠の話だと思います。えげつない師匠、大好きなんで・・・!ああ、楽しみだなぁ!
さて今回、あんまりシズ様がトホホじゃなかった・・・。ちょっと残念だ(笑)。
なんせ水無月・R、亡国の王子・シズ様&喋る犬・陸&手榴弾少女・ティーという組み合わせの妙が、大好物だから♪
・・・常に真剣なのに、何故トホホ。
・・・誠実かつ爽やかハンサム系なのに、何故トホホ。
トホホには、愛がある

シズ様のトホホは、本当に素晴らしいですからネ(笑)。なんであんなに、かく~んと脱力系なんだろう。
あれだな、今回のシズ様、あまりしゃべらなかったからかな。いや・・・しゃべってもクールで誠実なのに・・・(笑)。
「正義の国」「手紙の話」の両方の話でティーがいい味出してましたね~。普段無口で、喋るときは「ひらがな」で、でもソレは真理を貫いた発言で。
「山賊達の話」、ストーリーはもちろんですが、イラストもスンバラシかったです。山賊が通りがかる旅人を品定めしている、その旅人たちシズ様組・キノ組で、山賊の長老が過去に生き地獄を見たのはもちろん師匠組(笑)。キノがやたら可愛くデフォルメされ、師匠組の悪魔っぷりがすんごく強調されてる姿には笑い禁じ得ません・・・!
キノの旅は、まだまだ続いてゆく。色々な国で、色々な事や人と出会い、そしてその国を出てまた旅立つ。旅人たちは、その国を断罪しない。ただ、通り過ぎてゆくだけ。でも、だからこそ、美しくも醜い世界は、現実味を帯びるんじゃないでしょうか。
時雨沢さん、これからも、キノやシズ様達、師匠達の旅にが広がってゆくことを願っています。彼らの旅に、幸(とトホホ)が多からんことを。
(2009.12.20 読了)
この記事へのコメント
苗坊
読みました~。
今回もなかなかシュールなお話が多くて^^;堪能しました。
シズ様のトホホはあまりなかったですね。私も残念です。←
「山賊たちの話」は私も爆笑でした。師匠たちのイラストが凄まじかったですね^^;山賊の怯え具合がおかしくてしょうがなかったです。
水無月・R
未だに、師匠組のあのイラストは忘れられません(笑)。よっぽど酷い目にあったんでしょうねぇ(^_^;)。
師匠組のえげつなさは、ある意味突き抜けてて素敵だと思います♪