『復活のヴェヌス』ヴェヌスの秘録〈4〉/タニス・リー △

・・・うわぁ。すんごく肩すかしされたんですが。いえ・・・、単に水無月・Rの趣味からどんどん脱線してっちゃった、ってだけなんですけどねぇ。いや、予想はしてたような気もするんですけど・・・。
タニス・リーさんの最近の作風って、あんまりダークじゃないのかなぁ。・・・残念だ~。
本作『復活のヴェヌス』は、『水底の仮面』『炎の聖少女』『土の褥に眠る者』に続く、『ヴェヌスの秘録』シリーズの最終巻。

前3作から時を超えた、未来のヴェヌス。
既に海中に没した都市は、ドームで覆われ完全な姿に復元され、コンピュータシステムCXによって管理されていた。運河を小舟で移動し、中世の衣装を身につけた人々が行き交う、一大観光都市として。
主人公・ピカロはヴェヌスにある住宅の相続権を得て、ヴェヌスに移住する。その移動の旅で知り合った学者・フレイドは、ピカロの祖先ともう一人の過去の死者が、復活したという。ピカロの祖先は、第1作『水底の仮面』で錬金術の仮面を身につけて死んでしまった、音楽家のクローディオ・デ・ネーロ。もう一人はローマ帝国時代の女剣闘士・ユーラ。

なぜこの2人が復活させられたのか、そしてそれに関わって行くのが何故ピカロとフレイドなのか、謎に包まれたまま、物語は進行する。合間に彼らの過去が語られる。特にピカロの母・シムーンの呪いについて。
ピカロとデ・ネーロが滞在する館で、CXの故障による死亡事故が起き、フレイドはユーラと大学の敷地を出る。ピカロ・ユーラ・フレイドは反発し、惹かれあい、影響を与えあう。

そうするうちに、当局の企画する、デ・ネーロのコンサートが開かれるが、彼が音楽を奏で始めた途端に、会場はおろか中継を鑑賞していた人々、会場近隣の人々が血まみれになり倒れ伏すという、大惨事が発生。我に返ったピカロは、都に来てから知り合った女性・インディアが会場から連れ出され、フレイドとユーラと合流し、インディアから事の次第を説明される。この惨劇は、悪い力を持ってしまった天使のなせる業であり、それを食い止めることができるのも、天使の力を持ったユーラとピカロ、そしてその助力者であるフレイドでしかないのだと。
3人はそれぞれの力を振り絞り、その力に対抗し、ねじ伏せる。都は水没し、人々は脱出する。

・・・多分、そんな感じなんですが。
すみません。天使云々ってところで、お手上げ状態になりました。何か、非常にこじつけな感じがして・・・。途中まで、「ピカロとデ・ネーロの関係はいいとして、何でユーラなんだろう?」「きっとすごく陰惨で隠微な縁があるに違いない!」って、ワクワクしてたのに・・・天使?えぇ?それはないでしょう・・・。

最初の事故の原因がデ・ネーロが持つ病原体、と言うのが表向きで死亡した人々の体内で骨や内臓が粉砕されていた、という時点で多分デ・ネーロの音楽がそれを引き起こしたのだろうな~という予測はついてたんだけど、その原因が「天使」って・・・。なんだかなぁ。

全然マトモな感想が書けてない・・・(-_-;)。
大変残念感の漂う読後感です・・・。

(2010.01.20 読了)

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