『Story seller』シリーズは今号で最後となるそうです。残念ですねぇ。
上質で気のきいた作品の数々、
読み応えは長編並、
読みやすさは短編並
っていう表紙のキャッチフレーズ、今回も、間違いなしですよ~!
「男派と女派」/沢木耕太郎
沢木氏は、女性から何かを学んだり得たりする、女派だそうですが・・・。
「ゴールよりももっと遠く」/近藤史恵
『サクリファイス』の少し後、引退した赤城が1年前の石尾(『サクリファイス』の事件ではない)を思い出す。
「楽園」/湊かなえ
過去に阪神大震災で、双子の妹を喪った雪絵は、絵に描かれた楽園を探してトンガを訪れる。ずっと胸に秘めてきた思い。楽園を見つけて、ある決意に至る。
「作家的一週間」/有川浩
別に記事を上げているので、コチラをどうぞ。
「満願」/米澤穂信
貧乏な学生に優しかった下宿先の主人の妻。犯罪容疑者になった彼女のために、弁護士となったその過去の下宿人が奔走する。だが、彼女の本当の目的は。
「555のコッペン」/佐藤友哉
『Story Seller』から3編連続で〈謎の過去を持つ男・土江田〉の物語が描かれて来て、今回でピリオド。東京駅で殺人容疑者として追いまわされる土江田と、同行する女子高生探偵・赤井の駅内逃避行。土江田の過去がほの見えるラスト。
「片恋」/さだまさし
ある日突然、全く知らない男の死が知らされる。その男は、私の連絡先を知っていたのだが、私は知らない。しかも何故か、その男の遺族から、通夜や葬式に呼ばれる。
「555のコッペン」の土江田の過去、案外簡単でした・・・いや、全然簡単じゃないけど、秘密工作員とか外人部隊のエリート傭兵とかそういうのかな~と思ってたので。でも日本の警察にマークされてることは確かで、これからも「普通」を装って生きてかなきゃいけないのね・・・。赤井との関係は変わるのかしら・・・。
「満願」、ぞわ~っとした・・・。奥さんの守りたかったものが分かった時。米澤さんてホント、こういう人の心の怖いところを書くのが上手いわぁ・・・。
「片恋」はもう、うわぁ・・・これは、私的にはナシです、絶対。物語としては読めるけど、自分が当事者だったら、ありえません・・・。色々事情はあるとはいえ、自分をつけ回してたストーカーのお葬式で、遺影を持つ役をやるだなんて・・・。これに絆される女を理想としてるのかしらん、さだまさしさんは。
今回は、ほぼ私が読んでる作家さんばかりだったので〈アンソロジーの罠云々~!〉はないんですが、やっぱりアンソロジーってすごいなぁと思います。お買い得という意味でも(笑)。
これだけ著名な作家さんが競演ですもんねぇ。素晴らしかったです!
(2010.09.25 読了)
『Story seller』シリーズ
この記事へのコメント
苗坊
どの作品も良かったですね~濃かったですね~。満足です!
有川さんの作品は、最初はびっくりしましたが^^;でも、S理論についてはとても面白かったです。
さださんのこの作品はナシだと思いますが、数冊読んでみる身としてはこういう作品も書くんだ~って言う印象でした。現代っぽいと言うか。出されている本は素敵な本もたくさんあるので、是非お手すきの時に読んでみてください^^
水無月・R
アンソロジーという作家さんの競演は、ホントにいいですよねぇ!
S理論は腰砕け(笑)でしたが、有川さんらしい、楽しい物語でしたね♪
さだまさしさんの他の作品、読んでみようかしらん。おススメ、ありがとうございます!