円田さんの飼い猫・黒猫のシンクが拾って来たものから、「夜に猫が身をひそめるところ」を推理する、だけど突き詰めて検証するわけじゃない、ただ色々と考え続ける探偵たちの物語、『Think ~夜に猫が身をひそめるところ~』。
シンクが持ち帰る物(青いボタン16個とか、古い映画のチラシとか)ものから、シンクの行き先を想像する、音(おん)と円田さん。
そして、間に挟まれる、同じアイテムが出てくる、別の物語。
どちらが正しいのか、どちらがシンクの訪れた世界だったのか・・・?
音たちのいる世界と、想像の世界と、別に語られる世界。決して交わらないそれらをつなぐのは、真黒な猫・シンク(think=考える)。
なんだろう・・・。さりげないミステリー(ただし解かれない謎)のさりげなさ過ぎなところが、物足りなかった・・・かな~。
川の底に白い布を張ってそこへ古い映画を映すとか、チューバ演奏者がテレビに囚われるような心地になることや、大洪水が予言される村の「水読み」青年の行く末とか、細かいシチュエーションは結構面白いし、幻想的な雰囲気も素敵、と思ったんだけど・・・。
どうも、構成が今一つピリッとこなかったんですよねぇ・・・。
最後に、シンクが現れたお話もなんとなく無理やり感があって、ちょっと。
(2010.10.18 読了)
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