ぎゃひ~!おっ、おおおおっ、面白すぎ!
素晴らしいです、万城目学さん!
いやぁ、ホント楽しかった!万城目さん、ハマるわ~!大爆笑しながら、読みました。
大学の研究室での失敗で神経衰弱と言われ、奈良の女子校へ臨時の理科教師として赴任した、主人公・おれ(あれ~、そういえばこのヒト名前ない?)は、初日に遅刻した女生徒から云われなき敵意を向けられる。担任するクラスからも総スカンを食らって落ち込んでいるうちに、姉妹校との体育会系部活対抗戦[大和杯]の準備が始まり、剣道部の顧問になり、・・・そしてある日突然、鹿に話しかけられる。
鹿は彼に「目」を持って来いというミッションを与える。奈良は鹿、京都は狐、大阪は鼠、それぞれの使い番や神獣、謎が謎を呼ぶ展開で、女子高生たちの部活対抗戦の清々しい戦い、先生方の恋心、人間のエゴ、邪馬台国・卑弥呼の秘密や、姉妹校各校がいにしえの宮城跡近くに建っていることや、ミッション失敗により鹿化する鏡の中の自分など、様々な要素がからんで、物語が進行していく。
いやぁ、ホント面白かった!
主人公・おれがちょっと頑なな青年なのがいい(笑)。若いのに融通が利かなくて、ちょっと弱気になりやすくて、だけど頑張ってるのがいい。頑張ってるのに途中までは全く報われない感じで、ああ、トホホの香りが芳しいですなぁ(笑)。
剣道部の指導なんかは真摯で、結構カッコいいんですけどね~。
不思議な女生徒・堀田イトがなんでそんなに彼を敵視するのか、というのはだいぶん後になって判るんだけど、その敵意にあたふたしたり怒りを感じたりするのも、〈フツウ〉の青年ぽくていい。
そんなフツウの彼に課せられた意味不明のミッション、その失敗に対するペナルティが、鹿化(笑)。
しかも、話しかけてくる鹿は見かけは雌なのに、声はおっさん。更にポッキーを欲しがる。
・・・なんでやねん(笑)。
奈良・京都・大阪という古都にまつわる、土地神と神獣、卑弥呼と神獣たちのかかわりが語られるいくつかのシーンが好きです。
そっか、みんな「ヒメ」が好きで、千八百年も彼女の頼みを聞いて、大なまずを封じる儀式を続けてきたんだねぇ。なんか、ほろりとするよ。なんだかんだと言いつつ、お互い喧嘩したりしながらも、人間が忘れてしまっても、ずっとヒメの願いをかなえ続けてきた、神獣たち。いいよねぇ。
ぐるりと回る六十干支を、何度も何度も繰り返し、彼らは忠実に沈めの儀式を続けてきた。そういうファンタジーって素敵だなぁ。
剣道の試合のシーン、迫力がありましたねぇ。堀田イトのゆるぎなき強さもいいんだけど、怪我をしているのに善戦する主将もいい。鹿化する自分をなんとかしたいという思いをすっかり忘れて、「あきらめるな!」って叫ぶおれもいい。青春だよねぇ。うん、武道少女は、青春だよ~。爽やかで、力強くて、素敵だなぁ。
そんな青春物の堀田が危機一髪のシーンで登場し、「マイシカです、先生」と得意げに言うのには、大爆笑した。緊迫したシーンが一挙に緩むというか、場面にメリハリがついてイイですなぁ。鹿が迷惑そうなのもよかった(笑)。
ところで、生徒や保護者や各校の先生方から、絶大な支持を受ける奈良女学館教頭・リチャード(←もちろんあだ名である)。主人公にも親切で紳士的なんだけど、主人公の下宿先のばあさんは「リチャードには気を付けた方がいいよ」という。ばあさん、なかなかに推察力があるよ。リチャード、実は重要な人物でしたからねぇ。
このばあさん、「『坊っちゃん』とは何ぞなもし」なんてさらっと言ってのけてしまうような、キレの良さがあるんだけど、年の功だろうか、見守る温かさがとても強い。私も、こういうばあさんになりたいものです。
主人公・おれ、下宿先のばあさんとその孫の重さん(美術教師)、同僚の藤原君、姉妹校の美人剣道部顧問のマドンナ、もちろん堀田やリチャード、三校共通の大津校長、おっさん声でしゃべる雌鹿・鼠(神獣)のババアなど、登場人物(神獣は人物と言わないような気もするけど)たちのキャラが、とても立ってて、面白い。個性豊かだよねぇ。
神獣たちなんて、喧嘩してもお互い1800年の長きにわたる付き合いだから、ちょっとしたやり合いでじゃれ合いのようにも見える。
何はともあれ、無事に「鎮めの儀式」が完了し、ナマズのしっぽは抑え込まれ、鳴動していた日本列島は治まった。・・・が、鹿化したおれと堀田のどちらかしか人間顔に戻れない(まあ他人には見えないんだけど)と判明、おれは堀田を人間顔に戻してやる。お、いい先生だねぇ。
そして、関東に戻ることになったおれを追って、新幹線京都駅まで来た堀田がやった〈印の消し方〉。きゃ~、青春物だわ~。アレよね、古今東西、呪を消すのに有効な手段の第一位といえば、コレですもんねぇ!
しかしヒメも考えたものですな。鹿には〈印のつけ方〉だけを教え、鼠には〈印の消し方〉だけを教える。3種属の神獣それぞれが、圧倒的優位に立たないように、という配慮なんですねぇ。
いや、そんな配慮が凄いとかいうより、消し方が、大変ロマンティックでしたよ♪ニヤニヤしちゃいましたね。
うわ~。長々書いたけど、内容にあまり触れてないし、書きたいことも全然言及しきれてないや(笑)。
まあ、言えるのは、とにかく面白かった、っていうこと。神代の昔から人知れず続けられてきた儀式のてんやわんや。楽しかったです。
私たちがフツウに生活してるこの日常にも、もしかしたらこんな素敵な話が隠れてるのかもしれないな、なんて思います。私が気付いてないだけで。
そう思ったら、もっと楽しくなりました。
あ、そうそう。
大津校長の実家で、姉妹校の先生方が集まって「大和杯」の打ち合わせをするのが、京都の料理屋「狐のは」。『ホルモー六景』で、泣き虫おたまがアルバイトしてた料理屋さんですね!うわ~つながってます、万城目さんワールド。ということは、ほかの作品も?これから読むのが楽しみだなぁ♪
(2012.09.23 読了)
この記事へのコメント
苗坊
TBとカキコありがとうございました。いただいて恐縮なのですが、読んだのが前すぎて薄ぼーんやりとした内容しか覚えていないのが申し訳ないですー。
でも「おれ」がトホホだったのは覚えてます^m^水無月・Rさん、お好きそうですね☆
鹿化を治す方法がそこだけラノベっぽくて可愛かったです。
万城目さんの作品でリンクがあるのは知りませんでした!これは「ホルモー六景」を先に読んでいないと分からないですよね。羨ましいです!
香桑
そうですよー。リンクがありますよ。ばっちりですよ。とりあえず、『プリンセス・トヨトミ』と『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』を続けてお願いします。にまにまできるはずですから。
そういえば、ドラマではリチャード役を児玉さんがされていました。鹿がひとことだけしゃべっちゃうシーンもあったりして、原作ファンはにやりとしたものです。
誰もが気付いていないだけで実はあるかも?という感覚は、万城目ファンタジーの魅力だと思います。
水無月・R
ええ、トホホでございました~♪
好きですねぇ、ハイ(笑)。
鹿化を解くのは、やっぱりアレですよぅ~。確かにラノベっぽいですね(笑)。
万城目さん、面白すぎ~(#^.^#)。
水無月・R
おお、リンクしてるんですね、それはやっぱり読まないと、ですね♪楽しみです。
ドラマ、観てないんですけど、ちょっと見たかったかな~(笑)。
万城目さんの作品は、リアルな日常にいきなりあらわれるファンタジーなのに、何故かすごく自然っていうのが、面白さの一因ですよね。
すずな
万城目作品は、実は本当にあるんじゃないか!?と思ってしまう不思議さがありますよね~。ちょっとワクワクしちゃいますね。
ドラマではイトちゃんが鹿に乗ってやってきたシーンがあって、思わず「マイシカーっ!」と叫んで大興奮しました(笑)
水無月・R
はい~、とても面白かったです!
「マイシカ」出たんですね~。
ああ~!やっぱりドラマ観たかったわ~(T_T)。
万城目作品、関西在住には魅力的すぎます~。
yori
水無月・R
万城目ワールドが、あちこちでつながってることがわかってきて、大変楽しい今日この頃です♪
これから先の作品も、期待ワクワクです(#^.^#)。