いや~、すッッごく、面白かったッ!!
アニメは結構好きですが(でも全然詳しくない)、読み始めるまで、タイトルの『ハケンアニメ!』のハケンは「派遣」だと思ってました(笑)。覇権なんだ~、知らなかったなぁ。
辻村深月さんの描く、アニメに関わる人々の熱い日々、とっても楽しませていただきました!
冒頭にも書きましたが、アニメはわりと好きです。詳しくないし深夜帯放送のアニメは守備範囲外だなんて、真のアニメファンには怒られそうですが。
そんな私でも、ぐいぐいアニメ制作の世界に引っ張り込まれました。
プロデューサーの有科香屋子、監督の斎藤瞳、(神)原画師の並澤和奈。この3人やその周りの人々の、アニメへの強い愛と情熱が、とんでもなく素晴らしかったです。
〈アニメ業界には悪い人はいない〉というのは、納得。悪い仕事をしたら、すぐに巡り巡って、仕事が来なくなっちゃうのね。みんな、ホントにアニメに情熱を傾けてて、読んでるこっちまで熱くなりました!
しかしねぇ、読み終わってすぐに私、叫んでしまいました。
「香~屋~子~さぁぁ~~~~ん!!アナタ鈍すぎ!」と。
そんでもって、盛大にニヤニヤしちゃいましたね。
王子はこれからどうするんでしょうなぁ(笑)。その話(プロポーズスルーのリベンジがあるかどうか)、辻村さん書いてくれないかしら(笑)。
そして、可哀想な王子がトホホで、私、ちょっとときめいちゃった♪(笑)。
しかしまあ、プロポーズスルーもさることながら、和奈と宗森のことにも全く気付かないというのも残念美女だよねぇ、香屋子さんて(笑)。
内容は、ホントにサクサクぐいぐい読めちゃいますから、私がグダグダ書くより作品読んでくださいって思うので、書きません。
香屋子・瞳・和奈のほかにも、そのお仕事のパートナーたち、フィギュア会社の偉い人(眼鏡男子♪by和奈)、その会社の人気原形師、アイドル女性声優たち、いろんな登場人物たちが、それぞれに苦しみ悶えながら最高を目指して才能を最大限に発揮して作品を作り、その作品を盛り上げようと様々なことにチャレンジしていく、みんなが一生懸命なお仕事小説、とても素敵でした。
アニメのお仕事って、ホントに細かく色々あって、様々な職種の人がそのアニメを本当に大事にして、とにかく本当に不器用なまでに一生懸命で、真っ直ぐで。読んでてとても気持ちがよかったです。
最初の方は完全に嫌なヤツだった行城(雰囲気イケメンby和奈)も、やり方は違うけど、最高を目指してぬかりなく色々と手を回して、やっぱり作品を愛してる、ってのがわかってきて、すごいなぁ!って思いました。
作中に
~~アニメもフィギュアも、男も女も、この業界周りで働く人たちは、皆、総じて‘愛‘に弱い。
自分のやっていることに誇りを持っています、これが好きです、というのを見せられてしまうと、簡単にたらされ、ほだされてしまう。
そうやって盛り上げて決めた話の後で、結果、愛だけじゃどうにもならないお金の問題が発生して揉めたり、地味な作業に地獄のように追われることになっても。
この業界の人は、やっぱり、皆、総じて、愛の人だ。~~ (文中より引用)
ってあるのですが、すごくいいです。これからアニメを観る時は「これを作った人たちは〈愛〉の人だ」と心して観ることにします!
和奈の会社がある選永市が王子の故郷で、王子の両親がまた物語上重要な重要な人たちで、ってのはちょっとご都合な感じもしなくもないけど、面白かったからOK!です(笑)。
私も、和奈と一緒に唖然としてましたもん(^_^;)。・・・マジか・・・!(笑)って。
とりあえず、商工会の副会長さんの「喰えないおっさん(美中年by和奈)」ぶりには、しびれました(笑)。
たまらんのう、ああいう有能なオジサマって、素敵ですわ♪
ああ~、『サバク』も『リデル』も見てみたいなぁ!出来ればアニメで!
まあ、それは難しいだろうし、漫画も難しいかな。辻村さんがノベライズで出してくれないかなぁ。
あと、私は基本的に小説の映像化って苦手なんですけど、この『ハケンアニメ!』は映像化してほしいなぁ。実写よりアニメの方がいいけど(笑)。
前に、NHKで『バクマン』やってたじゃないですか。あんな感じで、どうかしら。
絶対私見るけどな~。リアルタイム無理なら、録画してでも!
なんか、とにかく、楽しかったです。ぐいぐい読んじゃいました。
(2015.07.07 読了)
この記事へのコメント
苗坊
本当に面白かったですねー。私もアニメ好きです。でも深夜枠は私も許容範囲外なので本当に好きって言うだけです^m^
それぞれが仕事に誇りを持っていてかっこよかったです。仕事がつらくても、好きだから続けられるんですよね。
香屋子は鈍すぎですよねー。もったいない。でも仕事に対する真摯な気持ちはかっこよかったです。
水無月・R
アニメの仕事に対するみんなの気持ちが、真剣で熱くてたまりませんでした!
香屋子さんの鈍さは、破壊力高いですよね(笑)。仕事もスゴイ出来る人なのに。でも、そのギャップが素敵♪とか思います。
すずな
みんながアニメを愛していて、仕事に誇りを持っていて。読みながら自分自身を省みてちょっぴり凹んだりもしましたが(笑)、熱い思いが伝わってきて、こちらも熱くなっちゃいました。
王子のご両親の件については、ご都合主義じゃないの~?とも思いましたが、私も面白かったから良し!でした。
水無月・R
ええ、アニメ愛がまぶしくて、ちょっと自分が悲しくなったりも、しましたねぇ(^_^;)。
でも、とにかくホントにみんな真摯で熱くて、気持ちを揺さぶられましたね!
楽しかった!ホントに楽しかった!
アニメを作り上げる過程も、そのあとのイベントごとも、いろいろたくさんのことを知りました。
とっても、面白かったです!
yoco
私も>この業界周りで働く人たちは、皆、総じて‘愛‘に弱い。
あたりのフレーズ、すごく染み入りました!
最後なんてもう読んでるだけで涙がじんわり。。
そして王子も好きですが、有能オーラ全開の王子パパもツボすぎて。王子のパパだなんて知らずにもっと見てたかった気もしつつ。
それにしても香屋子さんの鈍感っぷりも笑えましたねw いくら王子がイケメンだろうと、あそこまでストレートにやっても届かないとなると、なかなか手ごわそうですね。笑
そんな場面を思い出してもにやにやしちゃう。いやー。。。ほんっと面白かったです。
水無月・R
美中年(笑)の活躍が、楽しくてたまりませんでしたね!カッコいい!!こういう有能中年、大好きです~♪
いやほんと、香屋子さんは鈍感すぎですって(笑)。あの手ごわさは、ある意味素晴らしいです(^_^;)。
是非、王子にはリベンジしまくってほしいです、めげずに!
ホント、面白くて、いい作品でしたね!!