かつての事件も忘れられるほどに年月が経ち、あの頃は見えなかった・知らなかった・見ようとしていなかった真実が明らかにされる。
5つの事件。5つの『忘れ物が届きます』。
ちょっとミステリーとしては物足りないというかなんというか・・・でも、大崎梢さんらしい優しい物語でした。
「沙羅の実」
少年が拉致監禁された同じ日、死んだ男がいた。
「君の歌」
3年前、同級生の女の子が襲われた事件は未解決?
「雪の糸」
桜が満開の夜、雪が降った。その日に起こらなかったこと。
「おとなりの」
強盗殺人の現場に息子の物が落ちていて。真相は。
「野バラの庭へ」
兄の婚約者が失踪した過去を語る、上品な老婦人。
「沙羅の実」を読みながら、自分なりに真相はああだろうかこうだろうか、と考えてたら、最後にとんでもない事実が。ビックリ。なるほど、だから妙にかみ合わかない違和感があったのね、と納得。ちょっとズルい気もしますが。
「君の歌」の事件の真相はわりと早く予想はつきましたが、事件について会話する男子高校生二人との事件の関係がイマイチわからず、ラストで「なるほど」と。これもちょっとズルかったかな?
「野バラの庭へ」で老婦人の語る過去。失踪の理由や方法は簡単に予想がついたけど、何故こんな過去をなんでも代行業会社の女子社員に語るのか、もう一ひねりされるラストにちょっとオチがに似てるなぁと(^_^;)。
ズルいズルいと書いていますが、それも含めてミステリーなのでしょう。
かつての事件と、月日を経て新たにわかる真実、そこから引出される事件のほんとうの経緯。それが優しくて、ホッとしました。
(2016.06.26 読了)
この記事へのコメント
苗坊
全て少し前の過去の話なので、真相はどうなのか、どの作品もドキドキしながら読んでいました。
ずるいっていうの分かります^m^
どんでん返しも多かったですし、そういう事か!と思うことも多くて大崎さん上手いなぁと思いました。
水無月・R
途中の展開に不穏なものもあって、ドキドキしましたよね~。
大崎さんの物語構成のうまさが引き立ちましたね!
すずな
月日が流れたからこそ明かされる真実にドキドキしながら読みました。
最後はホッとできる大崎さんらしいミステリーでよかったですね。
水無月・R
過去に起きた事件はちょっと嫌なものでも、後になってわかってくる事実や経緯の優しさにホッとできる、良いミステリーでしたね♪