海外作品って、どうしてこんなに難しいんだろう…。
私が無教養だから?それとも苦手意識から構えてしまってるのかしら・・・(^^;)。
書評で興味を持ったはずのブライアン・エブソンさんの『ウインドアイ』、全然響かなかった…。
ごくごく短い物語が25もあったのだけど、読んでて眠くなってしまうぐらい、迂遠というか入り込めないというか・・・。時折、ついていける掌編に出会えることもあるのだけど、それでも完全に理解できたとは全くもって言えないという、ね。
どの物語も、ぎくしゃくとしていて沈鬱で、読んでいると悪循環というか同じところをぐるぐる回ってる停滞感が強烈。回っても回っても、どこにも行き着けない閉塞感は、どんどん狭まってくる壁のよう。
読んでいて、息が詰まる。
たぶんそれは、各編の語り手がストレスを感じているのに、自分をだましだまし、平穏を装おうとして、装いきれてないところが、ありありとわかってしまうからなのだと思いました。
そして、私も「自分をだましだまし」日常を送ってることを、痛感させられるから。
読んでも読んでもたどり着けない、終着点。
私が「現実」と思っているのは、本当に「現実」?
たくさん描かれる物語は、もしかして別の並行世界の〈私〉の物語ではないか?と疑ってしまう微妙な既視感。いやいや、こんな経験はしたことはないし、したいとも思ってない。
じゃあ、こんな夢を見たことがあるのかも。思い出したくもないけど。
失った何かを探し、探しながらまた別のものを失い、そして・・・何を失ったかも忘れてしまうような物語たち。
不安定で、不条理で、登場人物たちの輪郭がぼやけていく、その心許なさと、ぐるぐる回る悪循環の落下、・・・思い出すだけで胃の裏側がずっしり重くなってきます。
怖かったわけでもないし、グロくて気持ち悪いわけでもなく、ただただ、気分が重くなる短編集でした。
印象的だったのは「スレイデン・スーツ」。潜水服に潜り込んだら、なかなか出られなくなるとか、どんな潜水服なのかと思わずネット画像を検索してしまいましたよ。
あ~、このトンネルは、アカンやつ(笑)。うん、これは、スーツ着て脱いだらパラレルワールドにたどり着いちゃうのは、仕方ない系だ(笑)。
本書表題にもなっている「ウインドアイ」、消えた妹はいなかったことになっていて、それでも主人公は彼女が存在しなかったことには出来なくて、老年に至るまでずっとずっと気にかけて・・・。
でも、気にかけているだけ。母親でさえ「妹なんていない」というのだから、探しようもないのだけど。
あっさりと読み終えて、特に感想を持たずにいたのに、全編読み終えてからこのレビューに取り掛かる段階で、一番引っかかったのがこの物語。
妹を消したのは、家なのか、彼なのか。そう考えてしまって、すごくゾッとしました。
読んでて、疲れる短編集でした(笑)。
ていうか、何回寝落ちしたことか・・・・。好きな方、ホントにごめんなさい。
(2018.09.25 読了)
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