湊かなえさんらしからぬ青春物で、何というか(笑)。
イヤミスじゃないことが前もってわかってなかったら、巡り廻る悪意を探して・・見つからなくて呆然・・という流れになってたと思います(笑)。
つまり『ブロードキャスト』って、そういう作品でした。
中学時代に駅伝で全国を目指していた主人公・圭祐(僅差で全国を逃す)は、「高校でも駅伝をを頑張って行こう」と思っていたのに、事故で陸上部への入部を諦めざるを得なくなる。
たまたま同中の正也に声を褒められ、誘われ、放送部に入部することになる。
1年の1学期から、コンクールに参加することになった彼らは「テレビドラマ」に出演し、「ラジオドラマ」を一から製作することになる。
自身の葛藤、部活仲間の苦悩、先輩たちとの思いの違い、真剣に番組制作に取り組むこと、コンクールの過程で見えて来たもの。
くは~~っ!!!
なんていうか、正統派な青春部活物語過ぎて、ちょっと痒くなってきました(笑)。
「ラジオドラマ制作」ということに、関わりがあったこともあるものですから、あるある感やら、ブーメランやらもうホント・・・痛痒いというかなんというか。あの頃をちょっと思い出したりして、私も若かったんだなぁとかね(^^;)。
(↑高校の時の話ではありません)
でも、一途に一つのことに情熱を傾けるということは、とてもエネルギーがいることですよね。
それを共有できる仲間がいて、ぶつかったり苦悩したりしながら成長していく姿は、本当に清々しい。
そして、いじめに関するドラマ制作を通して、部活仲間・久米へのいじめに対してきっぱりと「NO」を言えた圭祐に拍手を送りたいですね。圭祐に同意してくれた堀江君も委員長も、読んでいて、嬉しかったです。ホッとしました。
ところで。
パン屋のおばちゃんが師匠、というネタは、今一つ伏線回収が出来てなかった気がしますね。
なんかもっと、エピソードがあってもいいんじゃないかなぁ。新聞連載時には描かれていたのかしら。
細かいことだけど、ちょっと気になりました。
それと。
湊さんは、Nコンの審査員をしたことがあるのかしら?なんて、ね。
(2019.10.19 読了)
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