
水無月・R激推し有川ひろさんの、〈ねこ〉についての短編集。
タイトル『みとりねこ』 で既に「これは泣くな・・・」と構えていたけど、予想通り、泣かされましたよ。はい。
でも、気持ちのいい涙だったと思います。
悲しいだけじゃなくて、登場する猫たち全てに〈ありがとう〉を伝えたくなるような、愛おしさに満ちた涙となりました。
猫を飼ったことはないんですが、確実に私は猫派ですね~。
いや、犬も可愛いと思うし(実家で飼ってた)、何ならカエルやフクロウだって可愛いと思うけど。
とはいえ、この短編集を読んで〈小さないのち〉に対する責任を考えると、気軽に飼うことは出来ないな・・・とも思います。
7つの物語、有川さんの〈猫愛〉がひしひしと伝わってきました!
それぞれに、猫たちの個性も色々、人間たちも様々、レパートリー豊かでしたねぇ。
「ハチジカン ~旅猫リポート外伝~」
サトルが子供の頃飼っていたハチの物語。
「こぼれたび ~旅猫リポート外伝~」
(「旅猫リポート外伝 一人と一匹、西へ」にて既読)
やっぱ、グレートデンはさすがにな・・・(笑)。
「猫の島」
(『ニャンニャンにゃんそろじー』にて既読)
なんか、今回はちょっとお父さんに対して、「しょうがねぇなあ・・・」って思ってしまった私。丸くなったのかしら。
「トムめ」
ひたすらトムに負け続ける独白(笑)。
「シュレーディンガーの猫」
啓介の成長?進化?が目覚ましく、話のテンポの良さも素晴らしかった。
「粉飾決算」
このお父さんの総決算の決定打が猫からの扱い・・・愛嬌があると言えなくもないですな。
「みとりねこ」
いやこれは泣くしかないでしょう・・。健気すぎる。
旅猫リポート外伝ってだけでもう、泣けますって。
ハチもナナも、サトルからの愛情、サトルへの愛情が深くて、胸が一杯になりました。
「トムめ」の毎日の日記が〈トムめ、可愛いトムめ。〉で〆められるお決まりで、ほっこり。
トムさんと著者の日々が、末永く続くことを祈っってしまいますね。
たしか、有川さんは猫を飼ってたはずだから(映画「旅猫リポート」のナナ役を務めた猫ちゃん)、その日々をそのまんまではないにしろかなり正確に綴ってるんじゃないかと思うと、本当にニヤニヤが止まらなかったです。
「みとりねこ」の浩太とダイアナが賢く優しく暖かく見守って、猫又になれることを願い続けるその姿は、本当に泣けました。
猫又になるためには、きっと書類にはんこが要る。そのために、肉球はんこの練習を続けていくその健気さ。
浩太はダイアナの死に対して、「大きくなって、丈夫になって、受け止められる悲しみの量が少しずつ増えていく。」と受け取っていました。
そして、自分が死を迎えたときにも、浩美は家族の中で一番大きくなったから、だから大丈夫、と安心して旅立っていく。
猫って、人間より、大きいのかもなぁ。そう感じて、泣けるとともに、胸が暖かくなりました。
そうそう、この本図書館で借りたんですけど、ちゃんと「初回限定特典 描き下ろし漫画」のツクダケイスケ「ねこ着地のしかた」が、付録としてついてました!これがまたなかなか芸細で(笑)。
描いたのは〈図書館戦争〉シリーズでお馴染みの、徒花スクモさん。
ツクダケイスケの名前のところに「SFも描けるエッセイ漫画家」って吹き出しが出てるんだけど、「SFも描ける」の文字の方が大きいのは、ツクダ先生はまだジャンルに迷いがあるのでしょうか(笑)。
この漫画も、猫と人間の愛が詰まってて、ホントに良かったです。妹と仲直りできてよかったねぇ。
ツクダ先生の次回作、期待して良いんですか?!・・・期待したいです(笑)。
(2022.05.04 読了)
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この記事へのコメント
todo23
。
水無月・R
犬派でも、良いと感じられたんですね!
これはもう、有川さんの筆力&猫愛力の賜ですねぇ(笑)。
本当に、どの猫も健気で愛情に満ちていて、温かい気持ちになりました!
苗坊
「旅猫リポート」の外伝をまた読めるとは思っていなくて懐かしさとともに読みました。ちょうど映画も観ていたので尚更来ましたね(笑)
アンソロジーで既に出ている作品もありましたが、どれも有川さんの猫に対する愛情がひしひしと伝わってきて読んでいて癒されました。
私も図書館で借りて読みましたが漫画はついていなかった気がします…うう…見たかった…^^;
水無月・R
『旅猫~』は、物語も映画も盛大に泣きましたが、この番外編もホント猫と人との優しい繋がりに、泣かされました。
ツクダ先生の作品が読めたのは、ラッキーだったんですね。
面白かったです~。
有川さんが猫好きで良かった♪良い作品たちを読めました!