タイトルだけ見ると、不穏な感じがしなくもないんですが、どちらかというと事を荒立てずになんとか上手いこと老後を過ごす方法について、色々書いてあるなぁと思いました。
著者・和田秀樹さんは、自ら高齢者専門の精神科医を称してらっしゃるお医者さんです。
私は本書『つかず離れず婚 ~定年世代の新しい生き方~』でいうところの〈つかず離れず〉の大事さ、とっても身に沁みました(笑)。
いや、我が家の夫はまだ定年まで10年以上あるんですけどね、ずーっと二人で家の中で顔を突き合わせて生活していく・・・と思うと、息が詰まるなぁ!と思うんですよ(笑)。
まず「はじめに」で〈この本は「定年後の夫と、死ぬまで仲良くやっていくための指南書」ではありません。〉と書かれているのが、非常に気持を楽にしてくれましたねぇ(笑)。
かと言って〈即離婚して自由になろう!〉という話でもないところがミソ。私も、そこまでは思っちゃいません(笑)。
ほどほどの距離をあけて、束縛や依存で苦しまないように、それぞれ自立して過ごす豊かな老後、それを手に入れるためにはどうしたら良いか、というのが本書の内容。
実際、ホントそれ大事ですわ。定年後、ずっと家にいる夫、そのくせ家事はしない、こちらの行動には口を出してくる、だけどこちらから言い返すのが面倒で黙って従ってしまう・・・わかるわかる、今だってそれに近い状態なのに、ホント勘弁してほしいわぁ、って思っちゃう。
なので、スラスラと読みやすい内容ながら、読み流さずに把握しなくちゃいけないポイントが有ったと思います。
まずは〈かくあるべし思考〉を捨てて、自分を大切にしたいなぁと思いました。家事、家計管理、何でもかんでも私がやっちゃってるから、いけないなというのも自覚しました。それをうまく明け渡したり分担したりするのも、なかなか理解を得るのが難しそう・・・ってのが難点ですが。
それと、距離感ですねぇ。
距離が近いと、つい相手の短所が目につく。あれをしてくれない、こういうところが嫌だ、・・・とついつい、突き詰めちゃう。
できるだけ、そういったことが見えないように距離を取り、たまにしてくれたことに対して感謝できたら、良いですよね。
そのためには先程の〈かくあるべし思考〉に入ってしまっている〈夫の世話〉から手を引くことも大事だなと思いました。自分のことは自分で出来る大人相手なら、きちんとした対話ができそうです。
更にいうと、〈これまでのルールに固執しない〉〈夫はもう働いていないのだと自覚する〉、これも大事ですわ。
許可を取るんじゃなくて〈私はしません〉でいいんだなぁって、そう言われてみればそうですよねぇ。
向こうが自由にしてるんなら、こっちもそれでいいですよね~。
ただ、本書の内容、「わかるわかる!私もできるだけそうしよう!そのためには、こうしたら良いのね~!」と思えるものが多かったんですが、いまいち頷けなかったのが、「パートナーチェンジ」の話。
道義的に良くないとか、そういう事を言いたいんじゃなくて、もう別にいいじゃん・・・って思うんですよねぇ。
ワタクシも50歳を超えて、今更恋愛とかする気にもなれないし、誰かに頼ったりするより、一人で自由に生きたほうがラクなんじゃないのかしらと思うのです。結局、どうせそのパートナーとも〈つかず離れず〉したくなるんじゃないですかねぇ。
それに、基本的に女性の方が長生きですから、相手次第ではあるけど、一人あとに残る可能性は大きいわけで。
私が〈おひとり様全然平気〉なタイプだからですかね。
まあ、何はともあれ。
〈かくあるべし〉に縛られず、こだわらず、緩やかに生きていきたいものだと思いました。
(2022.07.26 読了)
この記事へのコメント
todo23
定年後の料理担当は6:4くらいで私の方が多い。その他は家の中(掃除洗濯)は家内、家の外(庭や外構)は私という分担。家事全体でいえば7:3で家内が多いかな。
家内と一緒にいるのは朝、昼の食事時間と夕食後くらいですね。日中は別の部屋でお互い好きなことをしています。冷房代はもったいないですが、多分この距離感は大事だと思います。
まあ、そういう感じになるのは分かっていたので、家内も「辞めちまえ」と言ったのだと思います。
あまり参考にはならないと思いますが・・・。
水無月・R
ちゃんと家事分担してくれるtodoさんだから、奥様は「辞めちまえ」って言えたんだと思いますよ~!
ウチはワンオペ育児&単身赴任期間が長くて、なんだか全部私が背負ってる状態なので、それをなんとか分担・移譲することを理解してもらうことから始めないと・・・(笑)。
日中は別々の部屋で・・・それですよ!その距離感大事ですよねぇ。
参考にさせていただきます~。
todo23
「あの時作ってくれた料理はおいしかったわ~」とか
「xxxしてくれてたすかったわ~」とか
褒めてその気にさせるべし(笑)
水無月・R
褒めて伸ばす、子育てと同じなのかしら(笑)。
・・・頑張ります。