You Tube「山田五郎 オトナの教養講座」で、毎回楽しい絵画解説を視聴してます。
絵画鑑賞初心者で教養のかなり足りてないワタクシでも楽しくわかりやすい内容、山田五郎さんのニヤニヤしちゃうようなセンスのいい言葉選び、非常にレベルの高い動画なんですよね。
その動画の2021年アップ分を書籍にした本書『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の見方入門』。
動画はもちろんいいんですけど、自分のペースで鑑賞できるという意味で、本書もすごく楽しめました!!
最初に「早わかり西洋美術史年表」とか、ルネサンスとか印象主義とかの各芸術流派(風潮?)の「ざっくり人物相関図」があり、美術(芸術)の素養がない私にも西洋美術の全体像がわかりやすくて、とても助かりました。
ていうか、バロック絵画界のカラヴァッジョ、影響を与えたり逃走を支援されたり、中心に居すぎ(笑)。まあ、非常に無茶苦茶な人生送った人だからなぁ・・というのも、五郎さんのYou Tubeで知りましたよ。傷害・公務執行妨害・家賃滞納から侮辱罪、果ては殺人。とんでもねぇな・・・。
たくさん紹介されてる中でも、やっぱり一番好きなのはボスですねぇ(笑)。
《快楽の園》の地獄の帝王が、頭にお鍋を被ってごきげんに人間を丸呑みしてるの、本当に可愛いよ(笑)。地獄なのに、ゆるふわな怪物がウロウロしてて、なんだか微笑ましい。色合いもポップで楽しそう。《快楽の園》はキリスト教三連祭壇画なんだけど、それを閉じたときの扉に描かれている単色の「天地創造図」も、シンプルで幽玄な感じがして、魅力的。
ルーベンスのポチャ盛り(笑)も、非常に親しみが持てますわ~。盛大にポチャ盛りされた《三美神》や《マルセイユ上陸》、見ていて微笑ましいです。そして解説の末尾に「若者よ飯を食え!」との五郎さんのお言葉。私は若くないですが、励まされましたわぁ(笑)。
やっぱりミレイの《オフィーリア》は美しいし、ルソーの天然っぷりは愛嬌があるし、ゴッホのだんだん歪んでいく画風の迫力は凄いし、とにかくたくさんの絵画から、色々な印象を受けて、心が豊かになった気がしますねぇ。
本書を通して一番心を惹かれたのは、ムンクの《マドンナ》です。
19世紀に大流行した「魔性の女」というテーマに挑んだムンクの、なめらかな肌なのに、死相も滲み出るような描き方、私の「ちょっと痛いアンニュイ嗜好」をくすぐるんですよねぇ。
黒髪半目美女のファム・ファタル感、半端ないです!
しかしこの本、オールカラーで191ページ。載っている絵画の数・作者数も非常に多いし、もちろん五郎さんの解説もバッチリ入っていて、これで1600円+税だっていうんだから、驚きですよ。
いいんですか?!五郎さん&宝島社さん!!こんな豪華な本、こんなにお手頃価格で!
絵画鑑賞がもっとカジュアルに楽しめるものになる、そんな素敵なトレンドへの一助になる、良い作品だと思います~!
・・・すいません、こんな事書いてますけど、図書館で借りました。重ね重ね申し訳ない(笑)。
You Tubeをたくさん見て、広告収入に貢献しますので、お許しくださいませ。
(2023.10.23 読了)
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