『成瀬は天下を取りにいく』/宮島未奈 ◎

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2024年本屋大賞ノミネート作、『成瀬は天下を取りにいく』
我が道を突き進む、芯の通った女子・成瀬。
小さい頃から独立独歩、成績もよく、スポーツも嗜み、いろいろなことにチャレンジできる、前向き少女。
そんな成瀬を、幼馴染や中学高校が一緒になった子や成瀬を好きになった男の子、関わりを持った大人たちなどの目線から描き、最後に成瀬の主観の章も。
面白かったですね~。宮島未奈さん、初めて読む作家さんです。

表紙のイメージだけで「野球の西武ファンの女の子の物語」だと思ってたので、天下を取るってファンクラブや応援団のリーダーになるとかそういうコト?って読み始めたら、章タイトルが「ありがとう西武大津店」で、???ってなりました。
そして、幼馴染・島崎の語る成瀬あかりという少女の、筋は通ってるけど周りとは一線を画した存在感に、一気に魅了されましたね~。
人間出来てるわ~、成瀬(笑)。頭もいいし、運動も芸術関係も難なくこなし、言動に芯が通っていて、自信に満ちているのが、すごい。

そんな成瀬が、閉店する西武大津店に敬意を表して閉店までの約1ヶ月毎日通ったり、島崎と「ゼゼカラ」という漫才コンビを組んでM-1審査に出たり(一次敗退)、周りを気にしすぎる女子・大貫に同類に見られたくないと思われていたり、高1から東大のオープンキャンパスに行ったり(でも本当の目当ては西武池袋店)、百人一首かるた選手権大会に出て他地方の男子に想いを寄せられたり、「ゼゼカラ」として地域のイベントの司会を努めたり、島崎が東京に行くと知って動揺したり、次々いろんなことにチャレンジしては成果を積んでいく。

飄々と、周囲の目線を気にせず自分のやりたいことをやり、真面目で礼儀正しい成瀬の日々は、見ていて非常に安定してるのに、「変わった子だよな~」と感心してしまうし、周りからはちょっと浮いているというか「なんかちがう」と思われてるんですよね。
でも、我が道を行くって、かっこいいなと思うんですよ。
私もあんまり人目を気にしすぎない無頓着なタイプの人間なんですが、成瀬は段違いに真っすぐで信念があって、羨ましいです。

同世代だけじゃなく、上の年代か見た成瀬が描かれるのも、面白かったです。
こんな子と友達になりたいわ~(私50代だけど、今の年齢のままで)。

ところで。
実はこの作品、初めてスマホの〈電子書籍〉で読む本となりました。
スマホの画面で小説を読むなんて、目が疲れるんじゃないかと危惧してましたが、画面の色や明るさを調整したら案外そんな事もなく、手軽に読めました。
ただ、読むのには全然支障がなかったんですけど、レビュー書きながらちょっと内容の確認とかしたいときに、ページをパラパラ流し読みするとかの一覧性が紙の本に比べて低かったので、その点はちょっと残念。
とはいえ、スマホひとつに何冊も本を取り込めてしまうって、すごいですよね~。
経済的な問題(笑)があるので、これからも基本的には図書館で借りてきた本を読んでいくことになりますが、便利な世の中になったものです。

(2024.03.15 読了)

ブロガーさんにご許可頂いたレビューをご紹介します♪
☆おすすめです!☆



この記事へのコメント

  • 苗坊

    こんばんは^^
    こちらの作品が注目されていて気になって読んでみました。私も初読作家さんでした。
    成瀬がとにかく考えが突拍子もなくて、でもすべてのことに真面目に取り組んでいる姿がとても好きでした。
    巻き込まれている島崎は最初は気の毒だと思いましたけど、出来た子ですよね^^
    ぜひ続編も読んでみてください。そちらもなかなかですよ(笑)
    電子書籍って私はまだ未経験なんです。
    避けていた1番の理由は読むのに目が疲れそうだからだったからなのですがお話をお伺いして大丈夫かも?と思えました^m^挑戦してみようかな…
    2024年03月16日 18:41
  • 水無月・R

    苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
    成瀬のトリッキーな言動には、ちゃんと成瀬なりの筋が通っていて、本人は大真面目で、他の人には迷惑が一切かかってないところが、すごく好感が持てましたよね!
    続編も、楽しみです。本作で出てきた人たちが、また登場したらいいな~。

    電子書籍、画面を真っ白にせずに、薄い茶色(文庫本のページみたいな色)にして読んだら、案外読みやすかったです。文字の大きさも変えられるので、老眼でも大丈夫でした~(笑)。
    2024年03月17日 19:33