いやぁ・・・。
垣谷美雨さんの作品ってだいたいにおいて、がっつりアラフィフ・バリキャリじゃない勤労主婦(非正規職)な私に、グサグサ来るんですよね~。
本作『墓じまいラプソディ』も、〈見て見ぬ振りしたい「お墓問題」〉と〈選択的夫婦別姓〉について、「そうだ!そうだ!」と共感の声をあげたくなるようなエピソード、「あぁぁ~、胃が痛い、関わり合いになりたくない」と頭を抱えたくなるようなエピソード、満載・・・。
そして、相変わらず〈出てくる男性陣が旧弊で見栄っ張り〉〈地方の因習がめんどくさすぎる〉をどんどん畳みかけてくるので、イライラもします(笑)。
私、自分のお墓は要らないって人間なのですが(松尾五月と同じくゴミとして捨ててOKなら捨ててもいいとすら思ってる)、それはそれで遺された人たちが遺骨(遺灰)の処分に困るようなので、〈合祀タイプの樹木葬〉を目論んでいます。だって、死んだら終わりだと思ってるし、残された人たちに墓の管理とかめんどくさいことを依頼するのも、嫌なんですよねぇ。
なので、「墓じまいすりゃいいじゃん」って思っちゃう(笑)。
松尾家にしろ、中林家にしろ、自分が住んでいない地域での墓の管理なんて、大変すぎる。
特に中林家なんて、墓の生花を絶やすと地域の人に後ろ指さされるとか、やってらんないわぁ。それを任される分家の嫁(60代)のイライラっぷり、すごい共感しました。自分たちが入れもしない墓や引き継げもしない古い家屋の管理を、「やって当たり前、ちょっとの手間だろう」的に丸投げされるとか、ホントに無理ですもん。
そして、中林家の父の見栄っ張りっぷりときたらもう、イライラとかそういうの通り越して、「そんなに言うなら、お前が全部やれや!」「老後資金から、寺の修繕に500万も出せるかぁぁ!!」と怒鳴りたかったですね。私だったら、離婚も辞さないかも。こんな見栄っ張り男と暮らしていたら、ストレス半端ないもの。
墓問題に関しては、私の考え方がかなり極端なので、たぶん普通の人は「悩ましいわ・・・」「でもやっぱり面倒だったりお金がかかったりすることは嫌だわ~」ぐらいなんだろうなとは、思ってます(笑)。
それぞれ、いろんな考えがあって、妥協しながらうまいこと収めていくしかないんだろうなぁ。ただ、私はそういうメンドクサイことには巻き込まれたくないなぁ・・・と思ってます。ははは・・・。
選択的夫婦別姓に関しては、絶対にアリだと思ってます。
私は20数年前に結婚した際、何も考えずに夫の姓に変わりましたが、その際に運転免許・銀行口座・勤め先の登録、細かいこと言えばドラッグストアのポイントカードなど、全部名前を変える手続きをすることが、どんなに面倒だったか。夫はそんな面倒は一切しなかったですもんね。
珍しい苗字でもないし、私には兄もいたので、旧姓に特にこだわりはなかったけど、もしあの頃に選択的夫婦別姓があって、そうすることが世間的に後ろ指さされるようなことじゃなければ、そちらを選んでたかもしれません。
ていうか、それが後ろ指さされるってこと自体が、間違ってると思います。でも、もし制度化したとしても、一般化するまではごちゃごちゃ外野がウルサイという時期があるんだろうなと思うと、ゲッソリしますね。
私には未婚の息子が二人いますが、彼らがもし結婚するなら、相手の姓を名乗ろうが夫婦別姓を選ぼうが、好きにしたらいいと思ってます。
物語中には、夫婦別姓や女性の方の姓を名乗ることについて、「男の沽券にかかわる」とのたまう人たちが多くいますが、はっきり言って「バッカじゃないの?!」「そんなことでつぶれるような沽券なら、とっととつぶれてしまえ!」って思いますね。
物語最後の方で、選択的夫婦別姓制度の法案が通った途端、「これで問題解決、よりを戻そう」と言ってきた松尾家の娘たちの元カレども、非常にむかっ腹が立ちました。まあ、彼女たちにきっぱり断られて、ざまあ見さらせ(笑)って思いましたけど。
もう、問題はそこじゃないのよ(笑)。アンタ達の〈男の方が偉い〉〈俺は面倒ごとは御免だ〉的な感覚のせいで愛想つかされたんだよ、パートナーと対等になろうとしないことが、ダメダメだってぇの。
グサグサ来たし、イライラもしたけど、最後にちょっとスカっとしたので、まあ良しとします(笑)。
お墓問題、夫婦別姓問題(あるいは女性側の姓を選択すること)、色々考えさせられました。そして、相変わらず私自身が、そういったことには拘らないめんどくさがりであることも、再確認しましたわ~。
(2025.04.09 読了)
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