『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の見方入門(3) 』/山田五郎 〇


山田五郎さん、You Tube「山田五郎 オトナの教養講座」ではいつも、絵画解説を楽しませて頂いてます!!
絵画鑑賞だけでなく芸術全般的に鑑賞力の低い私ですが、そんな私にも楽しめてわかり易い内容の動画、本当に毎回ありがたいな~と思っております。
その動画の2023年アップ分を書籍にした本書、『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の見方入門(3)』
第1弾の『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の味方入門』、第2弾の『「山田五郎 オトナの教養講座」世界一やばい西洋絵画の見方入門(2)』に引き続き、動画で見たことの復習・思い出し・そして自分のペースで鑑賞が出来るので、ありがたい限り。

今回も、様々な画家や画商が紹介され、作品の謎解明だけじゃなくて、五郎さんのツッコミも冴えわたり、ニヤニヤが止まりませんでした。
冒頭の「早わかり西洋美術史年表」や「ざっくり人物相関図」も、ホントに助かります。本文を見ながらここに戻って関係性を確認したり、画風流派の展開を確認したり、とっても役に立ちました。

ダ・ヴィンチを皮切りに、ラファエロ・レンブラント・マネ・ピサロ・ゴッホ・クリムト・・・錚々たるラインナップです。
これでもかと有名な画家が出てくるし、あまり日本では知られてないけど素晴らしい作品を残してる画家や、雑誌挿絵画家やお札肖像画家なんていう何気なく身の回りにある「作品」の画家、色々な画家がいて、美術の世界って奥が深いなぁと、感心しますね。

そんなたくさんの画家の中で、本書で一番私が気に入ったのが、やっぱり「ボス」。うん、ボスはいいわぁ。大好きだわ。(笑)。
基本的にはボスの「ゆるふわ怪物」に心を射抜かれちゃってるんですが、本作で紹介されてるのはそちらではなく「インチキ手術」の絵画。
なんで、屋外で開頭手術してんのさ(笑)。って思ったんですが、屋内じゃ暗すぎるから、外での施術は割とあったんですね。
おマヌケ全開な患者と怪しさ全開な医者と周りにいる役に立ちそうにない登場人物たち。インチキですよ、騙されてますよ、と色々な象徴を書き込んでる風刺画の面白さ、たまりません。

純粋に「美しいなぁ」と思ったのが、シュティーラーの《ローラ・モンテス》と《レディー・ジェーン・エリザベス・ディグビー》。
この二人の美しさには、魔的な魅力があると思いますわ。滑らかな肌、意味深げな目力をたたえた目元、艶やかな髪…これらを余すところなく表現できるシュティーラーに「美人画ギャラリー」が依頼されるのは、必然だったでしょうねぇ。ほかの美人たちも、じっくり鑑賞してみたい(笑)。

「はじめに」で五郎さんの「原発不明がん」のことが書かれています。
動画中でも、いろいろご報告してくださってて、胸が痛くなります。
体力的にも精神的にも厳しい状況にありながらの動画作成や執筆活動など、本当に大変なことばかりだと思います。
ゆっくりでかまいませんから、どうかご無理のないように活動して、末永く私たちを楽しませていただけたら、嬉しいです。
もちろん、五郎さんが人生を楽しんでくださることが、一番です!!

(2025.05.15 読了)

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