神出鬼没の移動パン屋さん、「エウレカ」。英国風紳士の店主で工学部教授・亘理が、パンの食べ歩きが趣味の警察官・あさひを相手に、工学知識と抜群の推察力を駆使して、日常の謎を解いていく。
『教授のパン屋さん』というタイトル、パンになぞらえて(?)の謎解き、パン好きの私にとって読み始める前から期待大でしたね~。
近江泉美さん、初読み作家さんです。
ただ・・・なんか、ちょっと違うな~って感じですね。
謎とパンが今ひとつうまくまとまってない。作中であさひも「そこでパンの話をしなければ、最高にカッコいいのに」と、言ってますし。
パンと工学は人を笑顔にする・・という亘理教授の論理、合ってるけど・・・、合ってるけどなんか違うんだよなぁ。
あさひに掛けられた容疑の釈明、派手な身なりの青年の思惑、厄介な老人が起こした傷害事件の謎、少年の家に出没する「おばけ」の正体、これらの謎に対して、亘理教授は「三つの質問」をし、そこから謎の答えを導き出す。
工学の知識と卓越した情報整理によって、するすると解き明かされる解答は、「なるほど!」って思えるけど、パンとは繋がりがあまりなくて、ただ亘理教授のこだわりとして、「このパンと同じですよ」てことになるんだけど、どうにもちょっと・・・。
まあ、物語の主人公は、新人警察官であるあさひで、どのエピソードも彼の「仕事への情熱と心構えと成長」をそっと支え前に進むきっかけになるものなので、パンと謎の関連の深さがどうのこうの言わなくてもいいのかもしれません。
おばあちゃんがパン屋さんだったあさひは、寂しい時や辛い時もおばあちゃんの温かさとパンのおいしさに救われてきたんですね。そして、長じてパンの食べ歩きが趣味となり、札幌のパン屋さんをくまなく巡り、パンに関して一家言を持ってる。
作中に出てくるパン屋さんは、実在するのかしら。そうだとしたら、北海道の方は嬉しいでしょうね。
工学の知識を活かして論理的に、そして厳選された材料を使って作ったそのパンの味が、あさひによれば「ふつう」。
残念極まりないですね~。教科書どおりすぎて、「ふつう」なのかもしれないですね(笑)。
出来れば、「ふつう」を脱却して、「最高に美味しいですよ、亘理さん!!」って言われる日が来て欲しいですね。
(2025.11.28 読了)
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