時雨沢恵一さんの「キノの旅」シリーズ、24冊目。
私たち人間の様々な面をデフォルメした国々をめぐる、旅人たち(一部定住派)。
彼らはそれぞれなりの感じ方で国々を体験し、そこでの事象を断罪しない。
パースエイダー(銃器)有段者・キノと喋るモトラド(自動2輪車)・エルメス。
妙齢美人な師匠とハンサムな弟子。
亡国の王子・シズ様と喋る犬・陸と無口な少女・ティー。
旅を続けるその3組と、定住派で写真家のフォトと喋るモトラド・ソウ。
本作は、5年ぶりのシリーズ再開となりました。彼らの旅を読めることは、本当に幸せですね。
ただ・・・XXIVはもう、解読できません(笑)。覚えようともしてません(笑)。
『キノの旅 (24) -the Beautiful World-』。
口絵イラストノベル「綺麗になれる国」
すみません、人間洗濯機は大阪万博で展示されてましたよ(笑)。
口絵イラストノベル「射撃場の国」
車はいいのに、弾丸は駄目は道理に合わない?いや・・・どうだろう。
プロローグ「力を与えられた国・b」
エピローグの少しあと。何故、シズ様は斬ったのか。
第一話「運ばれる話」
二つの国の間は、貨物列車でしか移動できない。
第二話「温度差のある国」
温度対策のために、地下に移動した国の現在は。
第三話「試される話」
レンジャー選抜試験の本当の試験項目は。
第四話「若い国」
政治家が若い国のは、本当に素晴らしい?
第五話「冗談が通じない国」
冗談だよ、は許されない。替わりの言葉はあるが、その使用は考え抜かれている。
第六話「ライフルの話し」
とあるライフルが陸と話し、エルメスと話し、迎えた結末。
第七話「言い換える国」
都合よく言い換えてる国は、言い換えで。
第八話「XXXXXの旅」
国外でキノと知り合った旅人は、国に帰った25年後も燃料ストーブで淹れたお茶を飲む。
エピローグ「力を与えられた国・a」
プロローグの少し前。空から音もなく舞い降りた巨大な人形。一人の住民の言うことだけを聞く。
「あとがき」
あれ?普通のあとがきだ(笑)。2020年に23巻が発行された後、時雨沢さんに何があったかを「来戸乃辺留読蔵(らいとのべるよむぞう)」が聞きだす。最後の最後に、彼が雨沢恵一であることに気付く、時雨沢さん(笑)。
どの国の物語も、人間の一面を取り上げてデフォルメして国として成り立たせている。
美しくも、醜くも、ずるくも、けなげにも、人間が生きていくには、必要な事象。私の中にもきっと、あの国々の欠片は存在してる。
そう感じる物語でした。
「運ばれる話」が、面白かったです。
キノが車両を渡って進むたびに、二国間をつなぐのが何故貨物列車なのか、線路から降りることは許されていないのかが明らかになっていく。
でも、これは貨物列車に乗っている間と両国の中にいる間は、口に出せない話。エルメスとキノが二人だけになった時やっと話せる話。
本当かどうか?は、わからないけど。もしかすると、壮大なハッタリかもしれないけど。
そういう意味でも、面白かったですね。
「XXXXXの旅」も、最初は訳が分からなくて、エルメスの出すクイズ(笑)に???ってなってたのですが、彼の話を読んでなるほどと理解。彼の7日間だけの旅は、見守られた安全なもので、他者との交流もなかった。最後にキノに出会えて、燃料ストーブのつけ方を教えてもらって、そしてそれを国に帰った後もずっと続けて。彼の7日間は、一生モノの思い出になったんだなと思うと、ほっこりしましたね。
あ、そうそう。「ライフルの話し」で、妙齢美女の師匠とその弟子が出てきて、次にそのライフルに巡り合うのがシズ様組なんですが、その間がなんと50年。え?師匠が無双してたのって、50年も前の話なの?!あれ??じゃあ、今おいくつなの・・・という勘繰りを(笑)。いかんいかん、師匠は師匠、年齢などあってなきが如しなのでございますよ。
さて、「あとがき」が、普通でした(笑)。〈キノの旅 シリーズ〉のあとがきは、特殊なものであるべきという固定概念(笑)をぶち壊されました。そういえば5年ぶりだったんですねぇ。そして、今後の時雨沢さんのお仕事の予定も結構詰まってるとのこと、楽しみです…と言いつつ、あまりに時雨沢さんは多作なので、このシリーズ(と『学園キノ』)しか読んでないし、今後も手を広げる気はあまりないんですが(笑)。
とはいえ、時雨沢さんの今後のご活躍とご健康を、願っておりますよ。
(2025.12.15 読了)
この記事へのコメント
苗坊
私も読みました。
1年に1冊くらい出ていたのに、急に出なくなったから、もう終わってしまったのかと諦めていました(笑)
5年ぶりにオールスターに会えて嬉しかったです^^
「ライフルの話」は壮大でしたねー。師匠は見た目は可憐なおばあ様だと勝手に思っているんですけど、年齢は合ってないようなものなんですよねきっと…(笑)
他の作品の諸々でお忙しそうだからまた1年に1度ということはなさそうですよね。いつかまた読めるかもなーくらいの感覚で待っていようと思います(笑)
水無月・R
「ライフルの話し」、ホントに良かったですね。おばあさんが孫にライフルを構えさせた時の笑顔はきっと、本当に美しかっただろうと思います。
時雨沢さん、お忙しいとは思いますが、ポツポツでいいので、このシリーズを続けていって欲しいものです。