そういえば、貴志祐介さんは、初読みですねぇ。
「餓鬼の田」「フーグ」「白鳥の歌」「こっくりさん」の4編からなる、絶望の暗黒奇譚集、『秋雨物語』。
秋雨に打たれながら異界の扉を開いてしまった登場人物たちは、どんな結末を取らされるのか・・・。
ただねぇ・・・、私「イヤミス」「オゾミス」「理不尽ホラー」とかに慣れちゃってて、どうも本作の毒に「物足りなさ」を感じてしまったんですよね。なんとも因果なことでございます(笑)。
「餓鬼の田」のオチは・・・かなりかわいそうでしたね。呪いを打ち破ってもらえるかと思いきや、いきなり反転されちゃうなんて・・・。
「フーグ」の作家がどこに飛ばされたかがわかった時、どれだけ絶望したことか・・・。何回か失敗した末に最終的に、室内だけどそこになってしまうとは。彼を飛ばしていたのは、悪意ある存在なのか。それとも、本人の無意識の逃走癖の具現化だっただけなのか。
どこに飛ばされたかに気付いてしまった作家の恋人と編集者は、どうやって警察にこの「変死」を届け出たらいいのか。そういう意味でも恐ろしい物語でしたね。
「こっくりさん」のラスト、ちょっとなんだかパンチが足りないんですよねぇ。人間を殺した3人が再度「特別なこっくりさん」をやって、自分の罪から逃れようとするなんて、あさましすぎないか?それぞれが、結局心穏やかに最期を迎えた的なラストだと思うんだけど、なんだかなぁ。
良かったなと思うのは「白鳥の歌」なんですが、全く知られていない女性シンガーの奇跡の歌声の理由が風土病であった、という展開が私には面白いというか興味深く感じられたんですよ。そこへ至るまでの、彼女たちの辛苦もまた、物語として深みがあって。
ところが、調査を依頼したもうすぐ視力を失う老人や、老人に依頼されてそのシンガーの伝記を書こうとする作家は、奇跡の歌声の理由を知って落胆したという。・・・・え?別にいいじゃないですか。がっかりするなんて、失礼じゃないか?死と引き換えに得た歌声だったからいけないの?よくわからん・・・。
というわけで、ちょっと違うかな~、みたいな感想を持ってしまったのでした。ファンの方、ごめんなさい。
(2026.04.03 読了)
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