『花野に眠る』/森谷明子 ◎
秋葉図書館に舞い込むささやかな謎をそっと解いてゆく、『れんげ野原のまんなかで』の続編、『花野に眠る』。やっぱり、図書館がらみ・本がらみの物語って、いいですねぇ、森谷明子さん!読書好きにはたまらないです、こういう物語。
ただ、今回は図書館がらみというよりも、大地主・秋葉家にかかわる様々なミステリーや思い出などが物語になってた感じ。もちろん、本の知識もあちこちに出てくるし、図書館という色々な人がふらりと立ち寄るような公共の場所ならではの、人間関係の面白さや意外さなども、物語の展開にいい味を加えてはいたのですが。
前作でれんげを植えた秋葉氏、田んぼを復活させるという発言もあったし、「次作は水田のまんなかでかしら(笑)」とか思ってたんですが、それはもうちょっと先の話になりそうですね♪しかしホント、本作でも「気さくでガハハなじい様」ぶりは健在、頼れる地元の名士って感じでいいですね!お年寄りっていう感じがしない(笑)。
内容細かく書いていくと、ホントどの章にもいろいろ言及したくなってしまうので、少しだけ。
本作で一番うれしかったこと。「エリノア・ファージョンの児童文学が取り上げられていたこと」です。本が好きな子供だった私ですが、読んでいた海外児童文学と言えば『赤毛のアン』や『ドリトル先生』などの超メジャーな作品ばかり。小学校高学年になって初めて、「ファージョン作品集」を図書館で見つけて読み始め、瞬く間に夢中になりました。『マーティン・ピピン』シリーズ、『銀のシギ』『としとったばあやのお話かご』『ムギと…