『図書館のお夜食』/原田ひ香 △
図書館のお夜食 (一般書 428) [ 原田 ひ香 ] - 楽天ブックス
亡くなった作家の蔵書だけを収蔵していて夜の間だけ開館している図書館、そこで働く人々にはそれぞれに事情がある。併設されるカフェで提供されるまかないは、書籍の中に出てくるお料理。心惹かれる設定のはずだったのですが・・・原田ひ香さん、ごめんなさい。『夜の図書館』、ちょっと物足りなかったです・・・。
新たにその図書館の職員になった樋口乙葉をはじめ、元は書店員や図書館員、古書店員などで、それぞれ事情あってその職を離れる人をオーナーはスカウトしてくる。オーナーは姿を見せず、面接なども画像オフにしボイスチェンジャーを使用したズーム、元警察官の〈図書館探偵〉を雇っていたり、図書館であるビル以外にも倉庫を持っていたり、図書館の裏に寮があったりと、入館料や寄付では賄えないだろう運営費用の出所は謎。
各章で、ちょっとした事件が起こり、職員たちの努力や推理で問題が解決し、まかないで美味しいご飯が出てきて・・・なんだけど、なんか上手く噛み合ってないんですよねぇ。タイトルになってる割には、まかないの描写があっさりしてるし、それが事件解決の糸口になってるわけでもない。起こる事件も、上手く解決してスッキリって感じじゃないし・・・。職員たちそれぞれの事情も、あまり深く掘り下げられるわけでもなく、今ひとつよくわからない。
そうこうするうちに、図書館内で蔵書印のない書籍が発見され、調査と推理の末に一人の利用者が「自分の書籍を置いた」と白状する。その老女は…