『線は、僕を描く』/砥上裕將 〇
線は、僕を描く (講談社文庫) [ 砥上 裕將 ] - 楽天ブックス
映画化されたときに、それを見た古い友人が「映画見て原作読んでみたけど、すごくいいよ」と勧めてくれたのですが、なかなか〈読みたい本リスト〉が進まず、やっと手に取ることが出来ました。水墨画の世界に期せずして足を踏み入れることになった青年・青山霜介の物語、『線は、僕を描く』、私にとって全く身近ではない「水墨画」というものを知る、とても良いきっかけになりました。そして、本作が著砥上裕將さんのデビュー作だと知って、衝撃を受けました。
今となってはすごく失礼だとはわかってるんですが、私にとって「水墨画」って、「墨の濃淡で描いた、辛気臭くて古臭い絵」という印象だったんですよね。美術の教科書などで見かけても、ふ~ん・・・って感じで、とくに何も思わなかったのです。でも、本作を読んで「修正が効かない」「墨の濃淡だけでなく、筆さばきの妙で描くもの」「余白で余韻を作る」など、様々な技法や心意気などを知って、きちんと鑑賞する機会を得たいと思いました。
水墨画の大家・篠田湖山に偶然に出会い、少しの間話をしただけで、湖山の内弟子になることになった霜介。反発する湖山の孫で同年代の千瑛、兄弟子たち、大学の友人たちとの交流を経て、成長していく。霜介が湖山や他の水墨画家たちから教えを受けているシーンを読んで、「すごい観察力だし、とてつもない再現力で、どうやったって私にはその足元にも到達できない」と、ちょっと置いて行かれた感が、実はありました。 寝食を忘れて画題…









