『そこに無い家に呼ばれる』/三津田信三 ◯
三津田信三さんの実録風ホラーですよ。毎回「フィクションなのは、わかってるんだけど!!」とぎゃあぎゃあ言い訳しながら、それでもやっぱり怖がっちゃう系統の作品なのですよ。『そこに無い家に呼ばれる』んだそうですよ。呼ばれて、無いはずの家に入り込んで恐ろしい目に合う話、無いはずの家がある土地に侵入して恐ろしい目に合う話、心療中の患者が消えてしまった話、一言で言ってしまえばとても簡単なのに、これらの関連性を作家・三津田さんが解釈すると・・・。ヤバいです。語彙力消えるレベルで、ヤバいです。
先述した「あの家に呼ばれる 新社会人の報告」「その家に入れない 自分宛ての私信」「この家に囚われる 精神科医の記録」という3つの記録が、三間坂氏(怪談愛好家の出版編集者)の実家の蔵から発見されたことから、物語は始まります。この3つの記録の合間に三津田さんと三間坂氏の会合の様子が挟まれ、毎度のごとく脅しのような警告がされるのですよ。「これらの記録を読んでいる最中に、なにかが「一つずつ減っている」または「増えている」ことに気づくことがったら、読書は中止した方がいい」と。「はいはい、毎度の脅しですね~、もう慣れましたよ~、そんなの全然怖くありませんって~(笑)」と、言いたいところなんですが、妙に怖い。というのも、ワタクシの身の回りでちょっとした変化が起こりまして、モノが減ったんですよ。必然的にね(笑)。「気付いたら」レベルじゃなく「あからさまに」なので、恐れる必要はないんですけどね。ただ、この警告内容知らないのにこのタイミング…