『恐怖小説 キリカ』/澤村伊智 ◎
とりあえず夏になったしホラーでも読むかな~、となるとやっぱり澤村伊智さんだよねぇ、でも『ぜんしゅの跫』は予約の順番がまだ回ってこないんだよなぁ、じゃあ比嘉姉妹シリーズ以外でどうかな?ということで、本書、『恐怖小説 キリカ』を選んだのだけど。あばばばば・・・、これはアカンやつやん。絶対、アカンやつやん。色んな意味で、ホラーでした(笑)。
とりあえず、読み終えて、「これ、ネットにレビュー上げて大丈夫なんだろうか」と思ってしまった私を、思い切り笑ってやって下さいまし。いや、フィクションなのは分かってますよ?でも、でもですね。新人作家・澤村伊智が『ぼぎわん』でホラー大賞取って、次作が『ずうのめの人形』で、3作目は別の出版社から『恐怖小説 キリカ』って、まんまじゃないですか。こういう行動原理で、殺人を犯す人間がいるかもしれないという、恐怖。しかも「その後ー文庫版あとがきにかえて」まで、気が抜けないんですよ。この小説を間違った解釈をして行動する者まで出てきて、もしかするとそれは私が書いてるレビューに過剰反応するかも知れない・・・とかね、思っちゃうわけですよ。いや、そんなわけないですけど。
ある意味、「小説家のイメージを利用して、フェイクドキュメンタリーを書いてはどうかという講談社の提案」という設定、すごいですよね。そして、その展開を小説化したものを、この世に出してしまった講談社、恐るべし。ですよねぇ。ホントに〈リアル澤村さん〉は、講談社にそう言われたのかしら。その発想をここまで膨らませてひねりを利かせて描…